2019 Fiscal Year Research-status Report
マウス脊椎骨癒合モデルを用いた新規骨粗鬆症薬の検討
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19K24022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 龍司 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (20845888)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 / 脊椎骨癒合モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎に不安定性や変形を伴う場合、自家骨や人工骨を用いて脊椎固定術を行うことが多いが、術後の問題点として偽関節が挙げられる。近年では骨粗鬆症を有する患者が増えており、骨粗鬆症治療薬による代謝回転への影響から骨癒合に影響を及ぼす懸念があるが、脊椎骨癒合の分子メカニズムについての研究はほとんどない。その一因として、過去の基礎研究は主にラットなどマウス以外の動物を用いていること、BMP2を用いていることが挙げられる。本研究では、申請者らが独自に開発したマウスの脊椎骨癒合モデルを用い、脊椎骨癒合のメカニズムについて経時的な変化を、マイクロCTや組織学的評価、骨形態計測などから解析し明らかにする。今年度はは8週前後のC57BL/6Jのオスマウスを用いて、下関節突起を切除することで椎間関節を癒合させる比較的低侵襲で簡便な脊椎骨癒合モデルを作成することに成功した。このマウスモデルを使用し、脊椎骨癒合の過程をマイクロCTによる画像評価や組織切片による評価を段階的に実施した。さらにはTie2-Cre:Ai9レポーターマウスやαSMA-creERT2:Col2.3-GFP:Ai9レポーターマウスなどのトランスジェニックマウスにモデルを作成することでセルトラッキングを行い、脊椎骨癒合における間葉系細胞などの関与を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8週前後のC57BL/6Jのオスマウスを用いて、下関節突起を切除することで椎間関節を癒合させる比較的低侵襲で簡便な脊椎骨癒合モデルを作成することに成功し、そのモデルマウスのマイクロCTや組織学的評価、骨形態計測の技術と解析方法を既に確立していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は卵巣摘出手術や骨粗鬆症薬、遺伝子改変マウスを用いた詳細な分子メカニズムの解明を目指し、①マイクロCTを用いた画像評価および骨梁解析、②組織切片を用いた空間的評価、③血中骨代謝マーカーを用いた定量的評価、④骨形態計測を用いた骨代謝評価を行い、マウス脊椎骨癒合モデルとその骨粗鬆症治療候補薬を組み合わせた骨癒合の評価を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:順調に研究が進んでいるため、必要以上に経費をかけずに済んだ。 次年度使用計画:in vivoの解析など、次年度以降の経費のかさむ実験に使用する計画である。
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Research Products
(5 results)