2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K24024
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐川 綾子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (90844176)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 眼内悪性リンパ腫 / 分子標的治療 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、眼内悪性リンパ腫の原発及び再発巣の免疫染色を行い、97%以上で病理学的にActivated B-cell typeであることを報告した(BritishJournal of Haematology, 2018)。さらに、眼内悪性リンパ腫の原因遺伝子の探索の為、微量な検体しか採取できない眼内悪性リンパ腫の患者検体から遺伝子を増幅し、高感度に眼内悪性リンパ腫の遺伝子変異検出可能な系を確立し、digital PCR解析を行い、新規変異遺伝子を含む4遺伝子(MYD88,CD79B,GENEX,GENEY遺伝子)を同定した。また、富山大学薬学部細谷らの共同研究にて、疾患関連遺伝子のMYD88 及びCD79B遺伝子変異に対するシグナル阻害薬であるBruton 型チロシンキナーゼ阻害剤(BTK阻害剤)は、網膜血液関門透過性が良好で治療候補薬と考えられた。本研究の目的は、BTK阻害剤が、眼内悪性リンパ腫に対する疾患特異的な標的治療としての有効かを検証することである。中枢性悪性リンパ腫の細胞株では増殖能が元来不良で、サイトカインを用いて培養を継続し、ある程度の増殖能を確保したが、実際の検体は非常に微量であり、更なる増殖能の検討を要した。 そこで、まず眼内悪性リンパ腫の疾患遺伝子変異を有する細胞株(MWCL-1)を用いて、安定した腫瘍増殖能を確立した。Digital PCR解析により、MYD88遺伝子変異を有することを証明したMWCL-1細胞株に対し、第1世代及び第2世代BTK阻害剤は、濃度依存的に増殖を抑制し、第一世代に比べ第二世代の阻害剤は抑制効果が弱かった。また、GENEX, GENEY遺伝子変異に対する阻害剤は、MWCL-1細胞株の増殖を濃度依存的に抑制する傾向がみられ、各分子標的薬の増殖抑制効果が示された。本研究は、横浜国大大学院飯島研究室及び東京大学血液腫瘍内科と共に行った。
|
Research Products
(2 results)