2020 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症の構造改善薬シーズの探索を目指した滑膜間葉系幹細胞遊走モデルの開発
Project/Area Number |
19K24026
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
遠藤 健太郎 東京医科歯科大学, 統合研究機構, プロジェクト研究員 (30844378)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 滑膜 / 関節液 / 遊走 / 変形性関節症 / 軟骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、変形性膝関節症(OA)の構造改善薬シーズの探索を目指した新規滑膜間葉系幹細胞(滑膜MSC)遊走モデルの開発、および薬剤スクリーニングへの応用である。本年度は前年度に作製したハイドロゲルを用いたin vitro遊走モデルにより同定した滑膜MSC動員因子候補である血小板由来成長因子(PDGF)-BBの効果を詳細に検討した。PDGFにはAA, AB, BB, CC, DDの5つのisoformsが存在する。まず、in vitro遊走モデルにてその滑膜MSC動員効果を比較したところ、PDGF-BBが最も強力な動員効果を示した。PDGF-BBによる動員効果はPDGFR阻害剤の濃度依存性に減少することも確認した。また、PDGF-BBにより細胞を動員させると、ハイドロゲル中に滑膜MSCが基質中を移動した跡がコラーゲンの免疫染色および透過型電子顕微鏡にて多数認められた。PDGF-BBのin vivoでの効果を検証するため、ラットの膝関節にPBSあるいはPDGF-BBを注射したところ、PDGF-BB注射膝では滑膜炎を起こすことなく、関節液中のコロニー形成細胞が有意に増加することが明らかとなった。PBSおよびPDGF-BB注射膝の関節液から採取したコロニー形成細胞の性状を比較したところ、共にMSCマーカーであるCD44, CD90, CD105の発現が認められたが、PDGF-BB注射膝由来の細胞は高い増殖能、コロニー形成能、軟骨分化能、脂肪分化能を有することを確認した。
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[Presentation] 変性半月板断裂膝の関節液中間葉系幹細胞は内在性CGRPとHGFを介して手術後に増加する2020
Author(s)
渡部 直人, 遠藤健太郎, 小森啓一郎, 大関信武, 水野満, 河野佑二, 片野尚子, 辻邦和, 古賀英之, 大川淳, 関矢一郎
Organizer
第35回日本整形外科学会基礎学術集会