2020 Fiscal Year Research-status Report
活性型エンハンサーを分子標的として用いる子宮内膜症の組織診断マーカー遺伝子の探索
Project/Area Number |
19K24032
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
伊澤 正郎 鳥取大学, 医学部, プロジェクト研究員 (50032222)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / エストロゲン / エピゲノム修飾 / エンハンサー / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
エストロゲン依存性疾患として知られる子宮内膜症は、低エストロゲン環境の誘導を目的とするホルモン製剤治療が第一選択とされるが、その治療成績には限界がある。子宮内膜症病変組織に特徴的なエピゲノム環境のもとで活性化したアロマターゼ遺伝子に起因する(Izawa M et al. 2008, 2011, 2013)高濃度エストロゲン環境もその一因であることが示唆されるが、その分子的背景は不明である。本研究は、子宮内膜症病変組織に特徴的な遺伝子発現の実体を解明することにより、内分泌治療の限界を克服 する手掛かりを得ることを目的とした。先行研究(Izawa M et al. 2019)により、子宮内膜症細胞に特徴的なエピゲノム修飾と遺伝子発現との関連が示唆されたことから、子宮内膜症細胞に特徴的な遺伝子発現の背景にゲノムDNAメチル化修飾にリンクして活性化したエンハンサーの存在を想定した。その検証の第一段階として、子宮内膜症細胞に特徴的なエストロゲン応答性遺伝子と、エストロゲン応答しない構成的発現遺伝子について、それらのエンハンサー配列に焦点を絞り、ChIP解析とエンハンサーRNA発現解析を用いて検証中である。これらの研究には、子宮内膜症細胞に特徴的な低レベルではあるが同等レベルで発現するエストロゲン受容体システム(野生型α、野生型β、変異型β2、Izawa et al. 2016)に依存したエストロゲン応答性遺伝子のエンハンサー配列の特定が含まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19環境に伴う研究環境の制約が生じたため、当初研究目的を修正変更して研究計画を再構築する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮内膜症の内分泌治療の限界を克服する手掛かりを得ることを目標に、子宮内膜症に特徴的なエピゲノム環境とリンクしたエストロゲン応答性遺伝子と、エストロゲンに応答しない子宮内膜症に特徴的な構成的発現遺伝子について、先行研究成績(Izawa M et al. 2019)とin silico 情報をもとに子宮内膜症細胞に特徴的な遺伝子発現を検証する。
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Causes of Carryover |
COVI-19状況により研究環境が大きく制約され、当初の研究計画の修正改訂が必要となった。その結果、新たな研究計画を作成したことにより、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)