2019 Fiscal Year Research-status Report
M2マクロファージを介した新規変形性膝関節症疼痛惹起機構の解明
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19K24037
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高野 昇太郎 北里大学, 医学部, 助教 (10596505)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | マクロファージ / 神経ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
人工関節置換術時に変形性膝関節症患者から採取したヒト滑膜検体(6例)をコラゲナーゼ処理し、有核細胞を採取した。ビオチン標識抗CD14抗体とストレプトアビジン標識磁気ビーズを用いてCD14(+)分画(マクロファージ分画)を得た7日間培養後に20ng/ml recombinant human IL4刺激し、M2aマクロファージへのpolarizationを行った後、RT-PCRを用いて神経ペプチド(Adenomedullin, AGRP, Apelin, CGRP, NPFF, NPS, 新規neuropeptide, Substance P)の発現を検討した。IL-4刺激によりM2マクロファージマーカーCD206の発現は有意に増加した。また、IL4刺激により、新規 neuropeptide とSubstance Pの発現が有意に上昇した。一方、本研究で検討した神経ペプチドの中でIL10刺激(M2c polarization)により増加するものは存在しなかった。ヒト滑膜検体の新規neuropeptideとSubstance Pの発現をRT-PCRを用いて検討し、術前の疼痛スコア(Visual Analogue scale; VAS)との関連を検討した。過去の報告に従い、VAS=6をカットオフ値とし、VAS≧6(severe pain)とVAS<6未満(mild pain) の二群に分類し新規neuropeptide, Substance Pの発現を比較した。Severe pain群において滑膜組織における新規neuropeptideの発現が有意に低かった(図2A, P=0.033)。Substance Pの発現に有意な差は認められなかった(P=0.816)。ゲノム編集を用いて新規neuropeptideのKOマウスの作製を行った。現在までにF2が得られており、繁殖中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
M2マクロファージが産生し得るペプチドを複数同定し、その一つは疼痛スコアと関連性を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
KOマウスを用いて同定神経ペプチドの機能解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
KOマウスの繁殖状況が想定より芳しくなかったため次年度使用額が生じた。来年度、マウスのgenotypingに使用する予定である。
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