2019 Fiscal Year Research-status Report
Neuropeptide Yは多嚢胞性卵巣症候群の卵胞発育障害に関与しているのか
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19K24045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浦田 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20572598)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 多嚢胞性卵巣症候群 / Neuropeptide Y |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的>多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は無排卵性不妊の女性の80%を占めるが、その卵胞発育障害の病態は解明されておらず、特異的な治療法はない。PCOS卵胞ではマクロファージが多く存在しており、免疫学的因子の関与が考えられる。神経ペプチドであるNeuropeptide Y (NPY)は、非肥満PCOS女性の血中濃度が高いことが知られており、NPYのPCOSへの関与が考えられる。応募者は、NPYが早期胞状卵胞に強く発現していること、NPYが顆粒膜細胞の細胞増殖能とアポトーシスを制御していることを既に確認している。本研究では、①PCOS卵巣でのNPYとNPY受容体の発現制御機構と、②PCOS卵巣でのNPYの機能(卵胞発育の制御と、免疫学的機能)を明らかにすることを目的とする。 <結果1>24時間のアンドロゲン刺激(in vitro)では、NPYおよびNPY受容体発現は変化しなかった。 幼若ラットの卵巣より分離した顆粒膜細胞を、24時間ジヒドロテストステロン(DHT)で in vitro 刺激したところ、NPYおよびNPY受容体発現は変化しなかった。 <結果2>1ヵ月の高アンドロゲン刺激(in vitro)により、NPYおよびNPY受容体発現は変化した。 DHTを1ヵ月間投与(in vivo)した幼若ラットより、卵巣を摘出し、顆粒膜細胞を分離した。分離した顆粒膜細胞での、NPYとNPY受容体の発現を、Western Blot法で確認した。NPY発現は低下し、NPY受容体は種類によって変化のパターンが異なっていた。 以上より、卵巣顆粒膜細胞のNPYに対するアンドロゲンの作用は、長期的なものが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異なる期間DHTを投与した幼若ラットの卵胞における、NPY蛋白発現を免疫染色で検討している。 しかし、新型コロナウイルス感染蔓延の影響で、動物を用いた新規実験が現在中断中である。さらに同様の理由で、不妊治療症例数の減少があり、ヒト検体収集は現在困難な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
実験再開でき次第、実験を進めていく。 ヒト検体は、ライブラリしているものを積極に使用していくことで、進めていく。
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