2020 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症のPGC-1αを介した伝達経路の解明と分子標的治療の確立
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19K24048
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
片岡 恒 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90849027)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | PGC-1α / 低栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年のmetabolism analysisの結果や炎症性サイトカイン、アロマターゼ発現への影響の検討から、PGC-1αは子宮内膜症においてvicious loopを形成するmaster geneであると考えられ、特に糖代謝やエネルギー産生など細胞内栄養環境に重要な役割を果たしている可能性を見出した。そこで、子宮内膜症の初代培養間質細胞を用いて、低栄養環境(低グルコース環境、低血清環境下)における細胞動態を評価した。 既に低栄養においては子宮内膜症間質細胞ではPGC-1αの発現が上昇することは確認していたが、さらにIL-6などの炎症性サイトカインやBCL-2などの抗アポトーシス因子の発現も促進されることが確認された。これらはHX531によって抑制されることからPGC-1αを介した系が重要である可能性を示唆する。また子宮内膜症において病態促進の重要な働きをするアロマターゼについてもその発現が亢進することが明らかとなった。また、Exon1特異的RT-PCRにより、アロマターゼのプロモーター発現が促進されることから、これらはプロモーター発現を直接的に刺激し、子宮内膜症を増悪させると考えられた。 低栄養状態におけるPGC-1αの発現変化は可逆性を有することも確認された。低栄養状態から通常の培養条件へ移行すると、時間依存性にPGC-1αの発現は減少することが明らかとなった。これは増悪因子と考えられる低栄養(低血流)状態の改善によって病態が改善、治療へと繋げることができると期待できる。マウスによる実験は新型コロナウィルス感染症の蔓延により施行できていない。
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Research Products
(4 results)