2019 Fiscal Year Research-status Report
がん幹細胞を標的とした口腔がんの放射線増感戦略の基盤構築
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19K24086
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野里 祐佑 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10844300)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん幹細胞(CSC)マーカーとしてpsf1が同定されており、psf1のpromoterをGFPに繋げた融合タンパク質(psf1pro-GFP)の口腔癌細胞株へ導入した(SAS-psf1pro-GFP、SCCⅦ-psf1pro-GFP)。両細胞株の蛍光強度はSCCⅦ-psf1pro-GFPの方が強かったため、SCCⅦ-psf1pro-GFPを主たる細胞株として用いることとした。SCCⅦ-psf1pro-GFPを用いてSpheriodモデルを作成した。約500μm程度のSpheroidを作成し、凍結切片での観察を行ない、低酸素領域のSpheroid内層と酸素に富む外層におけるGFP陽性細胞を比較した。その結果、Spheroid外層にGFP陽性の細胞を多く認めた。また、共焦点顕微鏡を用いてlive imagingにて観察を行ったところ、同様にSoheriod外層にGFP陽性細胞が多い傾向にあった。これによりCSCは血管内皮細胞近傍の増殖期分画にも存在しうるという仮説を立て、in vivoの実験を行うこととなった。ヌードマウスの下肢にSCCⅦ-psf1pro-GFP由来の腫瘍を作成し直径約1cmになった時点で切片の観察を行った。腫瘍内部に多くのSCCⅦ-psf1pro-GFP陽性細胞を認めたため、血管内皮細胞との関係を観察するため、CD31の免疫組織染色を行った。血管近傍にSCCⅦ-psf1pro-GFP細胞は多く見られる傾向にあり、今後再現性の確認を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で実験動物センターの利用が制限されている。 放射線発生装置は実験動物センター内に置いてあるため、in vitro、in vivoの放射線を利用した実験が不可能であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物センターが通常利用可能になった後には放射線を用いた実験を進めていく。 Spheroidを放射線照射直後および24時間後に分解し、GFPの発現量に応じてpsf1高発現群、低発現群に分けてsortingを行ない、colonyの形成能を比較することで放射線感受性の差を解析する。 また照射後のDNA2重鎖切断数をγ-H2AXを用いて検証し、psf1発現細胞と非発現細胞とでDNAダメージの解析も行う。 また、マウス皮下腫瘍モデルの放射線感受性解析も同様に進めていく予定である。
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