2019 Fiscal Year Research-status Report
スカベンジャー受容体MARCOに着目したIgG4関連疾患の新規分子標的治療の確立
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19K24097
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂本 瑞樹 九州大学, 大学病院, 医員 (90848029)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 自然免疫 / MARCO / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4関連疾患(IgG4-RD)は、高IgG4血症と病変局所における著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とし、臨床的には罹患臓器の腫大や線維化による機能不全を呈する原因不明の全身性疾患である。治療法としてステロイドが著効するが、約半数で再発するため、厚生労働省の指定難病にも認定されている。新規治療法の確立が望まれるが、その発症や進展のメカニズムはいまだ不明な点が多い。しかし近年、IgG4-RDの病態形成に自然免疫が関与していることが指摘されていることから、われわれは、マクロファージや樹状細胞などの自然免疫担当細胞に着目し、顎下腺組織を用いてDNAマイクロアレイを行った。その結果、新規疾患感受性遺伝子としてコラーゲン様構造マクロファージ(MARCO)を同定した。また、MARCO以外にもIgG4関連疾患患者に自然免疫応答に重要であるToll-like Receptorファミリーについてもその発現細胞はM2マクロファージであり、in vitro() から in vivo (MARCO トランスジェニックマウス)までの検討を行い、最終的にはMARCOやMARCO発現細胞を標的とした新規標的分子治療へ展開できる可能性があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにさらにサンプル(組織・血液)回収を行うことができ、また各学会や会議等で情報収拾も行うことができた。また、MARCO以外の自然免疫関連分子およびその下流分子がIgG4関連疾患の病態、特に罹患臓器の線維化関与することが示唆されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、収集したサンプル(唾液腺・血液)を用いてMARCO発現細胞の同定と解析 (フローサイトメトリー)を行い、MARCO+CD68+CD163+細胞の抽出と機能解析 (セルソーティング、リガンド刺激実験、を行い、培養上清のサイトカインアッセイ)を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は、特に診療におけるサンプル採取と学会参加や研究ディスカッションでの情報収集を中心に行った。そのため、購入予定であった試薬等に対する出費がなかった。次年度以降は、特に試薬や実験器具の購入に研究費を使用していく予定である。
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Research Products
(7 results)