2019 Fiscal Year Research-status Report
再発転移性頭頸部扁平上皮癌の微小環境での免疫抑制機構の解明と制御
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19K24116
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 泰 金沢大学, 附属病院, 医員 (10844334)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / 微小管阻害薬 / 分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで再発または遠隔転移を有する頭頸部扁平上皮癌(R/M SCCHN)細胞は、エリブリン処理によりMETが誘導されるということを明らかにしてきた。本研究では、R/M SCCHN細胞でMETを誘導するエリブリンや、METによりR/M SCCHN細胞で感受性が高まるセツキシマブを用いて、免疫が抑制された癌微小環境が再び活性化されるかを明らかにすることを目指す。そこで、予備実験としてR/M SCCHN細胞をエリブリン処理することでMETを誘導し、エリブリン未処理の場合と比較してニボルマブやセツキシマブとの感受性の違いについてMTT assayを用いて検討を行った。その結果、エリブリン未処理の場合と比較して、エリブリン処理した場合ではニボルマブ、セツキシマブとも感受性が高くなる傾向を示した。予備実験の結果を踏まえて、現在はマクロファージ、樹状細胞、R/M SCCHN細胞を用いた癌免疫抑制環境をin vitroで再現し、エリブリンやパクリタキセルやビンブラスチンといった微小管阻害薬、セツキシマブやニボルマブといった分子標的薬を用いて、免疫が抑制された微小環境が再び活性化されるかについて検討を行っている。また、in vivoにおいてもR/M SCCHN細胞を免疫不全マウスの舌に移植してR/M SCCHNモデルを作製し、エリブリンやパクリタキセルやビンブラスチンといった微小管阻害薬やセツキシマブやニボルマブといった分子標的薬を単剤または複数薬剤を投与し、腫瘍縮小効果、活性化T細胞の測定や病理切片で抑制された免疫の再活性化を観察する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マクロファージや樹状細胞の細胞数を集めることにやや難渋しており、癌免疫抑制環境の再現に苦慮している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は癌免疫抑制環境を再現した上で、薬剤を用いることより免疫が抑制された微小環境が再び活性化されるか検討していきたい。また、in vivoにおいても研究計画に沿って実験を行う予定である。得られた結果から、R/M SCCHNの微小環境での腫瘍抑制が活性化され最も腫瘍縮小効果の高い併用薬剤の組み合わせや投与順序を検討したい。
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