2021 Fiscal Year Research-status Report
プロテインキナーゼC阻害剤 を用いた新規骨再生医療技術の開発
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19K24118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (60845957)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内での骨代謝機構の解明を目指して,骨再生における生理活性物質に着目した研究開発が活発に行われている。近年,化学合成が容易で,かつ多機能の生理活性を有する小分子化合物が注目を集めている。申請者らはこれまでに,独自のスクリーニングシステムにより,骨芽細胞分化を促進する生理活性物室として, Protein Kinase C(PKC) inhibitorであるiso-H-7を検出した。しかし, PKCに関して, どのように骨芽細胞分化および生体内での骨形成に影響を及ぼしているかは未だ明らかになっていない。本研究の目的は,PKC inhibitorであるiso-H-7を用いて,骨芽細胞分化ならびに生体内における骨形成に及ぼす影響を検討し,PKCが骨再生治療の新たな標的分子となる可能性を探索することである。 令和3年度は,ラットの頭蓋骨に骨欠損部を形成し,iso-H-7を含浸したコラーゲンスポンジを埋入し,2~3日ごとにiso-H-7の局所注射を行った.その後頭蓋骨を数週間の後に摘出し,摘出した頭蓋骨に対してiso-H-7が骨形成におよぼす影響をH-E染色およびマイクロCT画像で評価した.H-E染色の結果,control群に対して,iso-H-7群で著名な新生骨の形成が認められた.また,マイクロCT画像解析の結果,骨塩量,骨体積のいずれにおいても,iso-H-7群で有意に骨形成促進作用が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響でラット頭蓋骨モデルの実験に遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,ラット頭蓋骨欠損モデルにおいて,摘出した頭蓋骨に対して免疫組織化学染色を行い,PKCアイソザイムの発現を確認することによって,iso-H-7がPKCアイソザイムに及ぼす影響を検討していく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響で今年度の実験が計画よりも遅れが生じた.また,予定されていた学会,講演が延期,中止となってしまった.次年度は予定されていた実験をすすめていき,学会や講演等にも積極的に参加する予定である.
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