2020 Fiscal Year Annual Research Report
TNF-α短期刺激による骨髄由来間葉系細胞の動態解析
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19K24122
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
成谷 美緒 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 徳島大学専門研究員 (70761427)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | TNF-α / 幹細胞化 / 短期刺激 / 骨髄由来細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯髄細胞にTNF-αを投与することにより幹細胞化することを応用し、炎症性歯髄における幹細胞化の効果を組織学的に検討する。将来的には歯髄組織の修復、回復に効果的な生体材料、さらに象牙質におけるう蝕を抑制する生体材料の開発を行うことを目的としている。 ラット長管骨から骨髄由来細胞(BMC)を採取し,一方を「コントロール群」として通法通りに培養し、他方は60%コンフルエント時にリコンビナントTNF-α(1~100ng/mL)を添加し、2日間培養した後、TNF-αを培地中から完全に除去するため継代培養を行い、「TNF-α刺激群」とした。 TNF-αが細胞増殖に及ぼす影響を調べたところ、低濃度TNF-α刺激群ではコントロール群と比較して有意差は認めなかったまた、TNF-α刺激後のBMCにおいて、高濃度TNF-α刺激群においては他群と比較して有意にアポトーシスした細胞の割合が高かった。コントロール群と低濃度TNF-α刺激群のBMCにおいて形態的な差およびコロニー形成能に差は認めなかった。これらのことから低濃度TNF-αの刺激では細胞挙動に影響を与えないことが示された。コントロール群とTNF-α刺激群のBMCを骨、軟骨、神経、脂肪の誘導培地にて培養し、各マーカー遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCRにて比較検討した。骨芽細胞マーカー、軟骨細胞マーカー、神経細胞マーカーにおいて、コントロール群の方が高い発現量であったが、脂肪細胞マーカーでは有意差は認めなかった。 TNF-αによる短期刺激によって、BMCの幹細胞性質を持つ細胞の割合が増加し、骨分化においては一時的に遅延する可能性が示唆され、TNF-αがBMCの未分化性獲得に関与し、歯槽骨や神経の再生,骨折・抜歯窩の治癒促進などに貢献できる可能性が示唆された。
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