2019 Fiscal Year Research-status Report
機械的舌清掃が舌マイクロバイオームの細菌構成に与える影響の科学的根拠の確立
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19K24123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
朝川 美加李 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員 (90852583)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔マイクロバイオーム / 高齢者 / 舌苔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は対象となる高齢者のうち、舌苔が極度に付着した高齢者の選定を行った。本研究では、共同研究施設の歯科医師・歯科衛生士が以前から口腔機能向上サービスを提供している2施設において介護保険による通所サービスを受けている65歳以上の高齢者を対象とした。そのうち、舌苔の付着状態を客観的に評価するために、126名の舌規格写真の撮影を行った。撮影した舌規格写真に対し、色調補正や画像サイズの補正を行った。その後に、舌背の幅径が最大となる横断線を引き、その中心から直径20mm大の円を描いた範囲の舌苔付着量を単位面積当たりの割合として算出し、舌苔の付着状態を評価、対象者の選定を行った。また、一部の対象者において実際に歯科医師・歯科衛生士による機械的舌清掃を行い、舌清掃前後の舌苔検体を直径15mm大の不織布を貼り付けた回転式の電動歯ブラシを使用して舌背中央部より定量的に採取した。採取した舌苔検体はビーズ粉砕法を用いて細菌DNAの抽出を行ったのち、定量PCR法を用いて総菌数の測定を行った。機械的舌清掃前後の総菌量を比較すると、舌清掃前と比較し舌清掃後の総菌量は減少しており、視覚的な舌苔量の減少だけでなく実際に総菌量が減少していることを確認した。これらの結果を踏まえて、選定された対象高齢者に対する機械的舌清掃および舌清掃前後の舌苔検体採取の日程調整および、次世代シークエンサーを用いた16S rRNA遺伝子細菌構成解析の準備を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は舌規格写真を撮影し、舌苔付着量を客観的に評価することで舌苔が高度に付着した高齢者を選定することができた。また、一部の対象者において機械的清掃前後の総菌量の変化を確認することができた。一方で、新型コロナウイルス流行の影響により、対象者の機械的舌清掃および舌清掃前後の舌苔検体採取の中断を余儀なくされている状況であるため、達成度としては「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は選定された全対象者に対する機械的舌清掃および舌清掃前後の舌苔検体採取を完了し、細菌DNAを抽出したのちに定量PCR法および次世代シークエンサーを用いた細菌群衆解析を進める。さらに得られたデータを用いて、機械的舌清掃前後での総菌量の変化、および細菌構成の変化についての詳細な解析を進める。
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Causes of Carryover |
今年度、次世代シークエンサーを用いた細菌群衆解析を行う予定であったが、検体採取が中断しているため、次年度行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Association of Oral Microbiota with Digestive Tract Cancers2019
Author(s)
Shinya Kageyama, Toru Takeshita, Mikari Asakawa, Rie Matsumi, Kenji Takeuchi, Kiyoshi Nagai, Masaru Morita, Muneyuki Masuda, Yasushi Toh, Toshiharu Ninomiya, Yutaka Kiyohara, Yoshihisa Yamashita
Organizer
The 97th IADR General Session & Exhibition
Int'l Joint Research
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