2019 Fiscal Year Annual Research Report
CAD/CAMレジン冠接着技法の確立-新規MMA含有プライマーによる接着能向上-
Project/Area Number |
19K24142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上村 明日香 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90845877)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2020-03-31
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Keywords | レジンプライマー / 微小引張試験 / 破断面観察 / 長期耐久性 / CAD/CAM |
Outline of Annual Research Achievements |
大臼歯部CAD/CAM冠用レジンとレジンセメントの良好な接着を得るため,新たにマトリックスレジンを接着対象としたMMA含有レジンプライマー(以下MMA含有プライマー)に着目した.MMA含有プライマー処理の特徴を捉えるため,フィラーを含まないPMMAレジンブロックを使用し,レジンセメントの長期接着性に与える影響を評価した. フィラー非含有のレジンブロック(Telio CAD,Ivoclar)にアルミナブラスト処理し,対照群,MMA含有プライマー(HCプライマー,松風)処理群,モノマー(UnifastⅢ,GC)塗布群の3群に分け,パナビアV5(クラレノリタケデンタル)を積層築盛し,微小引張(以下μTBS)試験用ビームを作製した.さらに初期,1,3,6か月間水中浸漬後にμTBS試験および破断面観察を行った. μTBS試験の結果,プライマー処理群は対照群,モノマー塗布群と比較して有意に高い接着強さを示し,モノマー塗布群の接着強さは対照群と有意な差はなかった.MMAは単官能性モノマーのため直線の結合様式のみ形成するが,本研究で用いたプライマーに含まれるUDMAは2官能性モノマーであるため,重合過程において3次元的な架橋構造を形成し,より機械的に強固な接着層を形成すると考えられる.水中浸漬1か月には有意な接着強さの低下が認められた.破断面観察では,すべての群においてCAD/CAM冠用レジンブロックと接着性レジンセメント間の界面破壊が多く認められた. 以上より,MMA含有プライマーでPMMAブロックを処理することにより,レジンセメントの長期接着性は向上することが明らかとなった.
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Remarks |
(1)研究協力者氏名:矢谷博文(YATANI, Hirohumi)、所属研究機関名:大阪大学、部局名:歯学部附属病院、職名:教授、研修者番号:80174530 (2)研究協力者氏名:峯 篤史(MINE, Atsushi)、所属研究機関名:大阪大学、部局名:歯学部附属病院、職名:講師、研修者番号:60379758
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