2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K24144
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
丹羽 美麻 (鈴木) 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80846527)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2020-03-31
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Keywords | 歯周病 / マイトファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は歯周組織の破壊を伴う加齢性の慢性炎症性疾患でありその発症、進行には酸化ストレスをはじめとする様々なリスク因子が関与する。デンタルプラークは歯周病発症進行の直接の原因であるが、歯周組織の活性酸素種(ROS)への関与は必ずしも高くない。研究代表者らはこれまでに歯周組織のROSの生成には、ミトコンドリア選択的なオートファジー(マイトファジー)の異常による損傷ミトコンドリアの蓄積が関与する可能性を明らかにした。歯根膜細胞は歯根膜弾性繊維組織の構築のためコラーゲンなどの細胞外基質を大量に産生する必要があり、ATP産生の中心であるミトコンドリアの恒常性の維持は極めて重要である。マイトファジーの異常により過剰なROSの蓄積のみならず、ATP低産生やミトコンドリアDNAを放出する損傷ミトコンドリアが蓄積することは歯周病の炎症に大きな影響を及ぼすものと考えられる。 本研究課題では、様々な口腔内環境因子がミトコンドリアを傷害するメカニズムを明らかにし、歯周組織におけるROS産生の「引き金」となるミトコンドリアの損傷機序を分子レベルで解析することを目標とした。 マイトファジーはオートファジーを介して行われるため、令和元年度では歯根膜細胞において炎症性サイトカインやLPSがオートファジー全体に与える影響について検討を行った。ヒト歯根膜細胞にオートファジーを定量的に測定することのできる蛍光プローブGFP-LC3-RFPを遺伝子導入し、薬剤選択の後、炎症性サイトカインやLPS刺激によるオートファジーの変化を検討した。
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