2019 Fiscal Year Research-status Report
幹細胞ニッチの観点からの抜歯窩創傷治癒メカニズムおよびMRONJ病態の解明
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19K24146
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三海 晃弘 岡山大学, 大学病院, 医員 (20845375)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | MRONJ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに報告された方法に従い,8週齢雌マウスに,3週間,2回のzoledronate (Zometa; Novartis, Stein, Switzerland) (0.05mg/kg) の皮下投与と,cyclophosphamide (C7397; Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA) (150 mg/kg) の腹腔内投与を行い,MRONJモデルマウスの作製を行った.薬剤の投与開始3週間後に上顎左右の第一大臼歯の抜歯を行い,その後14,28,56日目の組織を回収し,MRONJが創傷治癒に与える影響をマイクロCTを用いた骨形態学的評価,HE染色による組織学的評価を実施した.なお,抜歯後,週2回のzoledronateの皮下投与は継続し,cyclophosphamide の 骨形態・組織学的解析の結果,薬物の投与を行なっていない対照マウスの抜歯14日後の抜歯窩はほぼ骨により再生している像が観察された.しかし,MRONJモデルマウスの抜歯窩では14,28,56日目の,時期においてもほとんど再生骨が観察されず,細胞成分が少ない疎な組織によって満たされていることを確認した. さらに,我々はMRONJの発症において,どの幹細胞ニッチに影響を与えることで,創傷治癒部位への細胞の動員および創傷治癒に影響を与えるかを明らかにするため,間葉系幹細胞,ニッチを形成する細胞を領域・時期特異的に可視化できる遺伝子改変マウスであるタモキシフェン誘導型マウス・間葉系幹細胞が可視化されたCXCL12-GFPマウス・骨芽細胞,破骨細胞が可視化されたcol1a1-GFP/TRAP-Tomatoマウスの作製を行い,上記マウスを使用して,MRONJモデルの作製を行なっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初,MRONJモデルマウス作製の過程で,薬剤の投与により免疫力の弱まったモデルマウスへの抜歯等の侵襲的処置を行うことで,それ以降の研究が継続不可能になることが相次いだ.現在は実験手技等の研究方法を見直すことによりこの問題は解決された.
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Strategy for Future Research Activity |
作製した遺伝子改変マウスを用いて,MRONJモデルを作製し,抜歯および骨折処置後1,3,7,14日目の組織を回収し,創傷治癒に与える影響をマイクロCTを用いた骨形態学的評価,β-gal染色による組織学的評価を行うことで,MRONJの発症において,どの幹細胞ニッチ(血管内皮,ペリサイト,歯根膜細胞)に影響を与えることで,創傷治癒部位への細胞の動員および創傷治癒に影響を与えるか,を明らかにする.
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Causes of Carryover |
消耗品等の購入が安価に行うことができたため僅かではあるが次年度使用額が生じた。 当該予算については、次年度に必要な物品購入等に充当する予定である。
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[Presentation] 大型動物歯槽骨欠損モデルを用いた大腸菌由来rhBMP-2の骨再生能の検討2020
Author(s)
田仲由希恵, 大野充昭, 納所秋二, 石橋啓, 三海晃弘, 土佐郁恵, 笈田育尚, 大野彩, 秋山謙太郎, 大橋俊孝, 入江洋之, 窪木拓男
Organizer
岡山大学次世代研究拠点シンポジウム2020
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