2019 Fiscal Year Research-status Report
インプラント周囲組織の治癒促進を目指した安全・簡便な新規手法の開拓
Project/Area Number |
19K24149
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今井 実喜生 九州大学, 大学病院, 助教 (40848016)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | インプラント / ベニジピン |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は動物実験を主に行なっている。ベニジピンのインプラント周囲組織に与える影響について検討を行なっている。 動物実験において、ラットの顎骨に埋入するインプラントに関して業者と打ち合わせを行い、必要物品の購入を済ませた。インプラントに関しては評価するものが骨と上皮と異なるため、ネック部の長さが異なる設計のものを使用することにした。 現在、6週齢の雄性Wistar系ラット数匹に対して抜歯後インプラントを埋入し、ベニジピン投与群に対しては投与を行い、実験を進めている。インプラントは途中で脱離することなく経過は良好である。今後、屠殺を行い、軟組織に関しては屠殺前に西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼを滴下する。骨組織に関しては非脱灰研磨標本およびパラフィン切片、軟組織に対しては凍結切片を作製し、染色後観察を行なっていく予定である。 ベニジピンの投与がインプラントに対する骨の接触率、骨質の評価、軟組織上皮封鎖性に関与しているかを観察し、非投与群と比較し有意に良い結果が得られた場合、インプラント埋入時にベニジピンを投与することは骨および軟組織治癒を促進させることが明らかとなる。これは、骨組織に関しては他家骨や代替骨を使用する骨増生や軟組織に関しては他部位からの移植が不要となり、術者および患者の負担の軽減を見込むことが可能となる。 2020年度は動物実験の続きおよび細胞実験を行なっていく予定としている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
時間のかかる動物実験を行なっていたが、コロナウィルスの影響もあり、研究が一時中断している。コロナウィルスの収束も見通しが立たないため、今後もやや遅れるのでわないかと考えている。また、物品等の流通も遅れているため、全体的に遅れが出ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
動物実験を先行して実験を行なっているため、このまま優先して行う。研究再開のめどが立たないため、細胞実験に対しては計画通りに進むのは非常に困難と考える。幸いなことに、当研究の延長線の内容が若手研究に採択されたため、期間内に間に合わなかった場合は、そちらの期間に行うこととする。
|
Causes of Carryover |
参加予定だった学会の中止および研究の進行速度がやや遅かったため、次年度使用額が生じた。来年度、研究を進めていく段階で、生じた額を使用予定である。
|