2019 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部がん放射線治療時の口腔カンジダ症予防に関する多施設共同ランダム化比較試験
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19K24150
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原田 沙織 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (60849488)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔・中咽頭癌放射線治療 / 口腔カンジダ症 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔・中咽頭がんに対する放射線治療時には口腔カンジダ症が約30%の頻度で発症する。一方、放射線性口腔粘膜炎はほぼ必発し、グレード3の重症粘膜炎もしばしば発症する。放射線性口腔粘膜炎の治療薬として一般にステロイド軟膏が使用されるが、口腔カンジダ症が発症すると治癒までの約1~2週間はステロイド軟膏の投与が控えられるため、口腔粘膜炎はさらに重症化し、患者のQOLの低下だけではなく、放射線治療の中断を余儀なくされ生命予後にまで影響する。そこで本研究は、口腔・中咽頭がん放射線治療患者を対象に、グレード2口腔粘膜炎が出現した時点でオラビを投与することで、口腔カンジダ症発症を予防することができるかどうかについて検討を行っている。口腔カンジダ症の有無については、唾液を採取し、real-time PCRにより口腔内細菌とカンジダ菌を定量することにより検討する。 本研究は特定臨床研究として長崎大学臨床研究審査会(認定審査会)の承認が得られ、現在jRCTに公開中である(頭頸部腫瘍放射線治療時の口腔カンジダ症に対するオラビ錠の発症予防効果に関する多施設共同介入試験 jRCTs071190023)。 研究参加施設は、NPO法人日本口腔がん臨床研究グループ(JOOG)および日本医科歯科連携医療研究グループ(JCDM)より、関西医科大学病院、信州大学病院の2施設の協力が得られており、現在、1症例が登録済である。今後も当教室の梅田正博教授、口腔保健学 (口腔管理センター)五月女さき子准教授の指導のもと多施設で共同研究をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特定臨床研究として長崎大学臨床研究審査会(認定審査会)の承認を得て、現在jRCTに公開中であるが、世界的な新規感染症拡大の影響もあり、他施設との往来が制限され、研究の遂行に影響が出ている。よって症例登録に時間を要していることにより遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
協力2施設での症例登録を開始し、介入研究を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度で十分な症例が集まらなかったため,次年度使用額が生じた。また、世界的な感染症拡大により出席予定であった学会中止が相次いだことも要因である。 次年度は研究計画に基づき,多施設でのデータ収集を行い、必要な実験物品を追加購入し、詳細な解析を行う。発表を行う予定である。
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