2022 Fiscal Year Annual Research Report
The biomechanics effects of MDP and HEMA for the hybridization at the adhesive-dentin interface
Project/Area Number |
19K24154
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
周 君 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40846507)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 象牙質 / ボンディング層 / 樹脂含浸層 / 力学的特性 / ナノインデンテーション法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,MDP系接着剤-象牙質界面におけるHEMAおよび4-METコモノマーの有効性をサブミクロンスケールで機械的特性の面から評価した.HEMAを配合したMDPセルフエッチングアドヒーシブの使用については,まだ議論のあるところである.接着剤-象牙質界面を独立して評価する技術がないために,HEMAはその有効性に関する疑問が解決されないまま使用されてきた. 歯科用接着剤の接着特性評価には,一般的に破壊モードの観察を含むせん断試験が使用される.接着強度試験の結果は,歯科治療に必要不可欠な材料である歯科用接着剤の有効性を決定する重要な要素である.ここで強さは,適用される応力とその点に隣接する欠陥との間の相互作用だと定義することができるが,クラック発生時の最大応力は接着強度として記録されるため,接着強度はしばしば大きく変化してしまう.本研究で用いたナノ力学的特性評価(象牙質-接着剤界面におけるモジュラスマッピングなど)は,歯科修復用材料の保定特性を硬質ハイブリッド層と相関させるアプローチである. MDP系接着剤にHEMAが存在することで象牙質構造への相互拡散は進むが,接着剤-象牙質界面での剛性の低下と粘弾性変形が大きく修復材料の保持特性が低下する.4-METはHEMAと比較して、剛性がより高くMDPとの潜在的な協力的化学相互作用を可能にする.よってMDPを主成分とする歯科用接着剤において,4-METの使用は,HEMAよりも優れた補完剤となる可能性が高いことが示された.さらに,4-METを含むMDP系接着剤の保持特性は,G2処理試料に代表されるように,MDPとHEMAが存在しない場合,完全に架橋した重合ネットワークに関連したより硬い接着層によってさらに強化される可能性がある
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