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2019 Fiscal Year Research-status Report

大阪府のレセプト特定健診一体型ビッグデータに基づく効率的な特定健診の運用の提案

Research Project

Project/Area Number 19K24165
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

尾崎 晋吾  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40846705)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2021-03-31
KeywordsTOKIプロジェクト / 糖尿病 / 特定健診 / 医療アクセス
Outline of Annual Research Achievements

本研究における目的は、大阪府保険者協議会および後期高齢者医療広域連合から提供された2012-2017年度の医療レセプトデータ(777万人および166万人分)および特定健診・後期高齢者健診の受診者(96万人および44万人)において、(1)健診受診要因を明らかにし、(2)特定健診で発見された未治療の生活習慣病患者が、健診受診後に医療機関を受診する要因を明らかにすることである。研究1に比較して、対象症例数が少ない研究2の解析を先行し、未治療の糖尿病患者における健診後の医療機関受診率の評価を行なった。
2013~2016年における特定健診受診者約82万人のうち、約4.9万人がHbA1c≧7.0%であった。特定健診前6ヶ月間における抗糖尿病薬の処方歴および血糖関連検査項目(血糖、HbA1c、グリコアルブミン)の測定歴などを有する糖尿患者を除外した後、過去6ヶ月間に糖尿病の治療歴・検査歴がない1.4万人を解析対象にした。
健診受診月以降の12ヶ月間において、医療機関で血糖関連検査項目を測定した患者は60%であった。健診受診後6ヶ月時の市町村区別の血糖関連検査の測定率を計算した結果、約30%-70%という大きな差が観察された。年齢、性別、喫煙習慣、BMI、HbA1c、降圧薬・コレステロール低下薬の内服歴の有無等の特定健診受診時所見を考慮した多変量解析モデル を作成し、各市町村区の血糖関連検査の測定率を比較した結果、多変量補正ハザード比は0.32~1.28であり、最大4倍の差が観察された。特定健診受診時のHbA1c≧8.0%の未治療の糖尿病患者6511人おいても同様の結果が観察された。
今後、未治療の高LDL血症患者や蛋白尿患者において同様の解析を行い、特定健診受診後の医療アクセス要因を明らかにすると同時に、特定健診受診要因の同定も行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究における目的は、大阪府保険者協議会および後期高齢者医療広域連合から提供された2012-2017年度の医療レセプトデータ(777万人および166万人分)および特定健診・後期高齢者健診の受診者(96万人および44万人)において、(1)健診受診要因を明らかにし、(2)特定健診で発見された未治療の生活習慣病患者が、健診受診後に医療機関を受診する要因を明らかにすることである。研究1に比較して、対象症例数が少ない研究2の解析を先行し、未治療の糖尿病患者における健診後の医療機関受診率の評価を行なった。
2013~2016年における特定健診受診者817929人のうち、48748人がHbA1c≧7.0%であった。特定健診前6ヶ月間における抗糖尿病薬の処方歴および血糖関連検査項目(血糖、HbA1c、グリコアルブミン)の測定歴などを有する糖尿患者を除外した後、過去6ヶ月間に糖尿病の治療歴・検査歴がない13727人を解析対象にした。
健診受診月以降の12ヶ月間において、医療機関で血糖関連検査項目を測定した患者は8218人(60%)であった。健診受診後6ヶ月時の市町村区別の血糖関連検査の測定率を計算した結果、約30%-70%という大きな差が観察された。特定健診受診時の年齢、性別、喫煙習慣、BMI、収縮期血圧、LDLコレステロール、HbA1c、降圧薬・コレステロール低下薬の内服歴の有無を考慮した多変量解析モデル (discrete time hazard model with complementary log-log link)を作成し、各市町村区の血糖関連検査の測定率を比較した結果、多変量補正ハザード比は0.32~1.28であり、最大4倍の差が観察された。特定健診受診時のHbA1c≧8.0%の未治療の糖尿病患者6511人おいても同様の結果が観察された。

Strategy for Future Research Activity

現時点で得られた結果は、特定健診において発見された未治療の糖尿病患者の医療アクセス率が市町村区によって異なることを示唆するものである。今後、糖尿病と同様な医療アクセスの差が、他の生活習慣病においても観察されるかを確認する必要がある。現在LDLコレステロール≧220あるいは≧200 mg/dLの無治療の高LDLコレステロール血症、あるいは尿蛋白≧2+あるいは≧3+の無治療の蛋白尿を認めた特定健診受診者が、医療機関を受診し、LDLコレステロールおよび尿蛋白(尿アルブミンを含む)を測定するまでの期間を算出するプログラムを開発している。さらに、これらの疾患において多変量解析モデルを作成し、市町村区別の医療アクセス率を評価し、その相関関係を評価することによって、「未治療の糖尿病患者の医療アクセス率が高い市町村区では、未治療の高コレステロール血症患者や蛋白尿患者の医療アクセス率も高いのか?」という研究テーマに基づいた疫学研究を行う。過去の特定健診受診歴や医療機関受診歴などを多変量解析モデルに組み込むことによって、それぞれの市町村区において特定健診後の医療アクセス率が低い集団の特徴を明らかにする。その結果に基づいて、特定健診後の医療機関受診勧奨の重点対象候補を提案する。
上記の研究に加えて、本研究のもう一つの目的である特定健診受診要因を明らかにする疫学研究を進める。本研究は対象者数の1桁大きく、上記研究よりもデータ処理過程を工夫する必要がある。現在そのプログラムを開発中である。

Causes of Carryover

本年度は、データサイズが小さい研究である(2)特定健診で発見された未治療の生活習慣病患者が、健診受診後に医療機関を受診する要因を明らかする研究を優先し、そのデータ処理プログラムの開発を優先した。結果的に、データステーションのメモリやSSDの拡張をほとんど行わずに研究を実施することが可能であった。しかしながら、今後データサイズが1桁異なる研究である(1)健診受診要因の解明を実施するには、データステーションのメモリやSSDの拡張が必要不可欠である。またデータ処理も複雑になるため解析用プログラムの開発も必要である。次年度にはデータステーションの拡張および解析用プログラムの開発を行い、研究(1)に取り組む。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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