2019 Fiscal Year Research-status Report
Follow up study to increase disaster preparedness of community nursing in Hiroshima
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19K24166
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加古 まゆみ 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (90347542)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 情報共有機会 / 教育機会 / 地域ネットワーク / 事業継続計画 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画で予定していた3フェーズ中、最初の1フェーズのサーベイ調査回収を2020年4月に終了した。広島県内では、2019年4月1日時点で288件の訪問看護ステーション事業を稼働しており、そのうち約77%にあたる訪問看護ステーションの223件にサーベイの送付を行った。収集データのプレリミナリー結果は、84件の回答が得られた(38%回答率)。その詳細は、広島市以外からの回答率は58%あった。広島県内での被災地域を含む2つの行政に限定して行った先行研究対象よりも、より大きな範囲での訪問看護ステーションに対する災害準備性の状況を調査が可能となった。 回答を得た中での災害の経験は、約40%の回答者が「ある」と答えている。多くの回答者が災害の経験をしているものの、約40%の回答者が、災害に関する教育や、研修を受けたことがないと答えており、その機会の得られにくさを示した結果となった。また、BCPの作成に関しては、約70%の回答者が整備していると答えている。準備ができていない理由としては、21%の回答者が、「したいと思っているが時間がない」と一番多く、その次の理由として、「どのように作成したらよいかわからない」と18%の回答者が答えていた。 広島県内、市内や、以前の災害の経験の有無などと災害準備性の相関関係などは、これから分析予定である。フェーズ2,3では、半構成的インタビュー、デルフィ―法によるデータ収集予定であるが、サーベイを通して、研究参加への希望者があり、今後、社会状況を鑑みながら、これらのデータ収集のための、参加者へのアプローチを行いデータ収集実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理審査への申請を迅速に開始したこと、また今年に入って、COVID19のパンデミックがあったことにより、より多くの事業所が、調査に何かしらの関心があったものとも考えられる。また、調査時がちょうど年度末であり、事務所での防災計画などの年度末の見直しと重なったことも、迅速に返信回答を得られたことを促進していると思われる。また、2018年度の災害の記憶はまだ対象者にとっては、記憶に新しいことであり、その後の事業所の活動の振り返りなども行っているところもあると予想されることも一つの要因ではないかと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
サーベイの分析のサマリ―をもとに、フェーズ2へのインタビューガイドの修正も含めて、より参加者の経験や意見に即したインタビューが行えるように調整を行っていく。社会情勢が落ち着いたころを見計らい、インタビュー参加希望者とのコンタクトを行い、看護ステーションでの災害準備性に関する教育プログラムのニーズとその内容に関しての半構成的インタビューを実施する予定である。参加予定者は11名希望者があるため、十分なインタビューデータが収集できるものと考えている。インタビュー後は、データを質的分析ソフトで分析を行う予定である。その後、フェーズ2の結果を受けて、訪問看護ステーションの災害準備性を高めるためのプログラム内容の抽出と実践分野での利用法に関しての意見のすり合わせを行うために、デルフィ―法を用いながら、考察して行く予定である。最終過程でのアウトカムは、今後プログラム開発への示唆と指針を得られると考えられている。また、研究成果の発表を行うために、災害看護・医療系の学会をはじめ、雑誌への投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
2019年度末に参加予定していた学会での滞在が、短縮されたことや、研究補助員の勤務がCOVID19により予定通りにいかなくなったことがあった。次年度、研究の参加者の募集とデータ収集への調整が遅れていることから、この業務などにおいて、補足・追加業務を行ってゆく予定と共に、災害看護学会への参加登録が、次年度へと持ち越されたために、学会参加にかかる経費(参加費)も含めて使用予定である。
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