2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the relationship between local circulation disorder and coagulation/fibrinolysys-system induced by hemorrhage in animal model
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19K24167
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
古川 翔太 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (90849093)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 出血性ショック / ミトコンドリア / 細胞外フラックスアナライザー / 血液凝固線溶系 |
Outline of Annual Research Achievements |
法医学分野では、病死などの場合は心臓内軟凝血がみられ、急死では心臓内に流動血がみられることがよく知られている。また、救急医療分野では外傷・出血により血液凝固が正常に機能しない例が報告されている。これらは出血による組織低酸素状態により凝固系・線溶系の不均衡が起きることが要因とされている。組織低酸素は出血量だけではなく、動脈出血と静脈出血のような出血様式の違いが影響すると考えられる。本研究では動脈性出血と静脈性出血の違いと凝固系・線溶系、そして局所循環との関連を明らかにすることを目的としている。方法として動脈性出血モデルと静脈性出血モデルを作成し、それぞれの出血による組織循環障害の現れ方の違いを評価する。組織循環の評価方法として、細胞ミトコンドリアの酸素消費量等を細胞外フラックスアナライザーを用いて測定を試みている。 1) 動脈出血モデルラット及び静脈出血モデルラットの作成:動脈出血モデルについては、これまでの実験で作成した経験があった。今回、大腿静脈への出血操作用のカテーテル挿入方法(静脈出血モデル作成)を検討した。静脈壁は柔らかいため血管内腔に確実にカテーテルを挿入することが難しいことが現段階での課題である。より成功率の高い方法を模索している。 2) ミトコンドリア呼吸の測定:ラット心臓・肝臓・腎臓・脾臓のミトコンドリア呼吸の測定を行っている。採取した臓器を破砕し遠心処理によりミトコンドリアを抽出し、測定に使用している。測定に用いる臓器の処理方法、検体の蛋白質濃度、測定に用いる試薬の濃度について検討を行い、適切な測定条件をある程度確立した。出血モデルラットにおいて全身血液量の50%の動脈出血によりミトコンドリアの予備呼吸能が低下する傾向にある結果を得た。統計学的検討のため、現在サンプル数を増やしている。 3) 血液凝固系・線溶系の測定:凝固線溶系の測定については実施が滞っている。
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