2019 Fiscal Year Research-status Report
Examination of hardness of mattress for prevention of pressure ulcer in prone position
Project/Area Number |
19K24169
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
熊谷 あゆ美 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (30843916)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 褥瘡予防 / 手術患者 / 皮膚軟部組織の応力 / 皮膚軟部組織の外力 / マットレスの硬さ |
Outline of Annual Research Achievements |
手術室における体位別褥瘡発生率は、腹臥位が一番高い。手術室においては、褥瘡予防のために体圧分散マットレスの使用が推奨されている。そのため、本研究では腹臥位手術を受ける患者のために褥瘡予防に有効なマットレスを検討する。 腹臥位手術では、体位固定に特殊な形状を有する四点支持器を使用することから、褥瘡発生率が高い。具体的には、四点支持器は体幹の左右の胸部と腸骨部を支える4個の架台とその下のフレームから構成されている。この架台は体幹との接触面が小さく、体幹の正中に向かって20度の傾斜がある。そのため、この支持器上のマットレスと接触する体幹の皮膚軟部組織には高い外力が加わる。その結果、皮膚軟部組織は大きく変形して、褥瘡が発生する。皮膚軟部組織の変形はマットレスの硬さと関係することから、四点支持器の架台上のマットレスの硬さに着目した。腹臥位で褥瘡好発部位である腸骨部に外力が加わった場合に、皮膚軟部組織の変形が少ないマットレスの硬さを検討する。褥瘡予防に有効なマットレスの硬さが明らかになることにより、腹臥位手術を受ける患者の褥瘡予防に貢献できる。 臨床実験には限界があるため、有限要素モデルによる応力解析を用いて検討する。有限要素モデル作成用のソフトウエアを用いて、腸骨部の皮膚軟部組織とマットレスの有限要素モデルを作成する。皮膚軟部組織は腹臥位で撮像した腸骨部のMRIをもとに、マットレスは硬さ別のヤング率とポアソン比をもとに作成する。次に、解析用ソフトウエアを用いて応力解析を行い、荷重に対して皮膚軟部組織の応力やひずみが小さいマットレスの硬さを検討する。また、有限要素モデルは腹臥位での腸骨部のMRIや体圧分布をもとに検証を加え、信頼性の高いモデルを作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
信頼性の高いモデルを作成するために、腹臥位での腸骨部のMRIや体圧分布の分析から開始した。MRIから得られるマットレスの変形と体圧分布から得られる皮膚軟部組織に加わる外力を硬さ別に分析中である。これらの分析が予想以上に時間を要し、研究の進捗が当初の予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
MRIから得られるマットレスの変形の分析と体圧分布から得られる皮膚軟部組織に加わる外力の分析を並行して計画的に進めていく。腹臥位での腸骨部のMRIや体圧分布をもとに信頼性の高い有限要素モデルの作成を進める。
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Causes of Carryover |
信頼性の高いモデルを作成するために、腹臥位での腸骨部のMRIや体圧分布の分析から開始した。これらの分析が予想以上に時間を要し、研究の進捗が当初の予定よりも遅れている。そのため、有限要素モデル作成のためのソフトウエアなどの購入には至っておらず、次年度使用額が生じた。分析が終わり次第、有限要素モデル作成のためのソフトウエアを購入して、腸骨部の皮膚軟部組織とマットレスの有限要素モデルを作成予定である。
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