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2021 Fiscal Year Research-status Report

統合失調症者の自己概念とその関連要因の検討

Research Project

Project/Area Number 19K24178
Research InstitutionTokyo Health Care University

Principal Investigator

菅原 裕美  東京医療保健大学, 看護学部, 助教 (90849366)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2023-03-31
Keywords統合失調症 / リカバリー / メタ認知 / 自己概念
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、統合失調症者の自己概念とその関連要因を検討し、統合失調症者のリカバリー支援の基礎資料とすることである。これまで統合失調症者の自己概念に関する先行研究は少なく、統合失調症者の自己意識の障害やメタ認知の障害など、「障害」そのものを指摘する報告が多い。本研究は、統合失調症者がメタ認知の障害がありながらもどのように自己をみつめているのかという視点に立った研究であり、本研究の結果より、統合失調症者の自己概念がどのようにメタ認知機能と関連し、リカバリーの促進につながるのか関連要因の関連性が明らかになる。
Web調査会社にモニタ登録中の統合失調症者を対象とし、背景情報として、性別や年齢、最終入院歴等、「統合失調症者の自己概念測定尺度」「メタ認知尺度」「日本語版リカバリー評価尺度」を主要評価とし、その他、家族関係に対する満足度について回答を得た。入院経験者と入院未経験者で尺度の得点を比較した結果、入院経験者で自己概念下位項目のうち、「ストレングスの自覚」「将来のイメージ」の得点がそれぞれ高かった。また、入院経験者で家族関係に満足と回答した割合が多く、入院経験者では家族関係に満足と回答した者で「ストレングスの自覚」「将来のイメージ」の得点が高く、入院経験者、入院未経験者ともに家族関係に不満足と回答した者で「不安定の自覚」「受け入れがたい病気」の得点が高かった。これらの結果から、入院経験者の自己概念はストレングスの自覚や将来のイメージを得ており、統合失調症の自己概念の再構築には家族関係が関連することが示唆された。
自己概念とメタ認知、リカバリーの関連について、それぞれの概念が相関していることは明らかになったが、入院経験者と入院未経験者では、相関の強さが異なることが推測され、どのように関連を示すのか分析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対象施設での調査を実施することが困難になったため、Web調査への変更を余儀なくされた。そのため、「やや遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

2021年度の調査結果を踏まえて、2022年度は、統合失調症者の自己概念と家族関係の関連について調査する計画である。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、病院等の施設での調査が困難になる可能性がある。そのため、2021年度の研究活動と同様、インターネット調査として研究計画書を作成し、所属機関の倫理審査委員会で審査を受ける。また、本研究の最終的な研究成果を国際学会・国際誌にて発表、投稿する計画である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、Web調査に研究方法を変更したため、調査の開始が遅れた。そのため、学会発表に掛かる経費、英文校正、投稿料に掛かる経費が2021年度では使用できなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度は、2021年度の研究成果を学会発表し、統合失調症者の自己概念と家族関係の関連についてWeb調査を実施する計画である。また、本研究の最終的な研究成果を国際誌にて投稿する計画である。そのため、Web調査代、学会発表に関わる経費、英文校正、投稿料に掛かる経費が必要となる。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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