2019 Fiscal Year Research-status Report
心身に障害のある子どもの力を育む看護師の多職種チームによる発達支援とそのプロセス
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19K24182
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
石浦 光世 関西医科大学, 看護学部, 助教 (40846424)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 障害 / こども / 児童発達支援 / 看護 / 多職種チーム |
Outline of Annual Research Achievements |
心身に障害のある子どもが主体的に生活を営むことができるよう、看護師は子どもの健康と家族も含めた生活に配慮しながら子どものもつ力を育むための重要な役割を担う。児童発達支援の場で、子どもの特性に応じた支援を多職種とともに行うことが、子どもと家族の健康と生活を守るための基盤となるという看護の果たすべき役割の可視化が必要とされる。 本研究は「(1)看護師が児童発達支援の場で子どもの状況を身体、精神、社会的側面から多角的にアセスメントし、子どもの育ちと暮らしを守るための支援を行う、(2)そのプロセスにおいて多職種チームとともに実践する」という看護師が行う児童発達支援の具体的な内容とそのプロセスを明らかにすることを目的としている。 医学中央雑誌で国内の過去10年間(2011~2020年3月)の児童発達支援における看護師の役割に関する研究および会議録を検討した結果、該当するものは1件であった。また、看護師を含む多職種チームについては1件が該当し、子どもへの遊びを通した支援の重要性をどの専門職も認識し、子どもと家族のQOLの向上につながるものと意味づけていることが示唆された。これらから、看護師は子どもの健康を守り、多職種と共通する役割を担いながら、専門的アプローチが統合され生活に根づいていくよう取り組むことが大切であると考える。 データ収集にあたり、所属機関および協力施設において臨床研究倫理委員会の承認は得られており、児童発達支援の場での看護師の支援を参加観察法および面接法を用いて実施する予定である。具体的には、看護師が子どもの遊びや食事、運動などの活動場面にかかわる様子や家族へのかかわりの場面、多職種チームで情報共有する場面を参加観察し、看護師と共にこれらの実践を振り返り、かかわりや共有の意図や目的について振り返り、対象者ごとにデータを蓄積する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データ収集にあたり、所属機関および協力施設において臨床研究倫理委員会の承認は2020年2月時点で得られているが、その後コロナウイルス感染症の影響を受け、データ収集が実施できない状況である。現在、感染症の流行は減少しているが予断を許さない状況であるため、データ収集の開始については、今後、協力施設の受け入れ状況に応じて検討を要する状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータ収集が可能になった段階で開始する。一方で、施設内でのデータ収集が困難な状況が続く場合は研究方法を変えることも検討する必要がある。例えば、参加観察法は行わず、看護師を対象としたデータ収集を行うこと、複数施設の看護師に研究協力依頼をすることを検討する。 同時に、国内外で行われている多職種チームの中での障害のある子どもの発達支援に携わる看護師の役割について文献レビューを進める。
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Causes of Carryover |
当該年度において倫理審査の承認までに時間を要したこと、また、データ収集が行えなかったために、それらに関連する使用ができなかった。 今年度は、遅れているデータ収集を行うと共に、分析を進め、論文作成を行う。
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