2020 Fiscal Year Research-status Report
心身に障害のある子どもの力を育む看護師の多職種チームによる発達支援とそのプロセス
Project/Area Number |
19K24182
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
石浦 光世 関西医科大学, 看護学部, 助教 (40846424)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 障害 / 子ども / 児童発達支援 / 看護 / 多職種チーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「(1)看護師が児童発達支援の場で子どもの状況を身体、精神、社会的側面から多角的にアセスメントし、子どもの育ちと暮らしを守るための支援を行う、(2)そのプロセスにおいて多職種チームとともに実践する」という看護師が行う児童発達支援の具体的な内容とそのプロセスを明らかにすることを目的としている。 所属機関および協力施設における臨床研究倫理委員会の承認を得た上で、児童発達支援にかかわる看護師3名、児童発達支援サービスをうけている幼児期のこどもとその家族6組の研究協力を得た。データ収集は参加観察法および看護師からの面接法を予定していたが、COVID-19の感染拡大の影響を受け、看護師の子どもと家族への児童発達支援についてそれぞれ3回の面接によりデータを得た。また、施設訪問により看護師のこどもへのかかわりについてのデータを得た。子どもと家族の研究協力者6組のうち2組からは、参加観察法からのデータを得た。また、多職種チームカンファレンスの中での看護師の活動に関するデータを得た。 これらのデータから、看護師は子どもの健康状態を早い段階で把握した上で、児童発達支援の場では生活や遊びが円滑に営まれ、子どもが自身のセルフケア力を発揮して楽しく過ごせること、母子通園の場では家族が子どもの力にきづき子どものことがより分かるようになること、家族自身の力を高めていけるように支援していることが見えてきた。 現段階では、データ収集が途中であり、子どもの個々の状況に応じた児童発達支援のプロセスは不明瞭であるため、今後はさらにデータ収集を進め、データ分析を深めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は対象となる子どもと看護師の児童発達支援の内容を参加観察法を通じて明らかにすることを目的としていた。2020年度前期はCOVID-19の感染拡大による終息の見通した立たない状況であったため、研究計画のデータ収集の方法を一部変更した内容に修正した上で、協力施設の研究協力依頼の許可を待った。その後、研究協力者の看護師の許可を得るための施設訪問は許可されたが、子どもと家族への協力依頼ができるまでに半年以上を要した。データ収集は2020年11月末から開始となり、2021年3月まで実施した。そのため、データ分析に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、発達支援のプロセスを知るためのデータ収集が必要であり、これまでに得られたデータの分析をすすめながらデータ収集を行い、結果を明らかにしていく必要がある。 また、国内外で行われている多職種チームの中での障害のある子どもの発達支援に携わる看護師の役割について、児童発達支援から学校や特別支援学校にも枠を拡げてこどもの発達支援の場にいる看護師の役割に関する文献レビューを進める。
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Causes of Carryover |
本年度はCOVID-19の感染拡大の影響を受け、データ収集が大幅に遅延したことにより、研究データ分析にまで至らなかった。また、本研究に関連する学会等への参加、児童発達支援に携わる関連施設への訪問による旅費が発生しなかった。 次年度はデータ収集、本研究に関連する学会・研究会等への参加、録音したデータのテープおこし、児童発達支援に関連する情報交換会に研究資金を計上する。
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