2023 Fiscal Year Annual Research Report
心身に障害のある子どもの力を育む看護師の多職種チームによる発達支援とそのプロセス
Project/Area Number |
19K24182
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
石浦 光世 関西医科大学, 看護学部, 講師 (40846424)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 障害 / 子ども / 児童発達支援 / 看護 / 多職種チーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「(1)看護師が児童発達支援の場で子どもの状況を身体、精神、社会的側面から多角的にアセスメントし、子どもの育ちと暮らしを守るための支援を行う、(2)そのプロセスにおいて多職種チームとともに実践する」という看護師が行う児童発達支援の具体的な内容とそのプロセスを明らかにすることを目的としている。 所属機関および協力施設の臨床研究倫理委員会の承認を得て、児童発達支援にかかわる看護師3名、児童発達支援サービスを利用している幼児期の子どもとその家族6組の研究協力を得た。データ収集期間は2020年10月~2021年7月で、看護師の支援に関する参加観察および写真や動画のデータを基に、看護師を対象に半構成インタビューガイドを用いた面接を行った。データ分析は質的帰納的分析方法を用いた。 看護師は児童発達支援において、子どもの健康状態や生活状況をとらえ、安全安楽に配慮した環境を整え、子どもが参加できる環境を調整することを役割の軸としていた。その中で、多職種協働により、子どもの理解を深め、現在および将来にわたり子どもが生活を営む上で必要な課題を明確にしていた。また、幼稚園や保育園の利用、小学校への進学など、子どもの生活の場や体験の幅の拡がりに合わせて子どものセルフケア力を伸ばすと共に、家族の子どもの養育力を高めていた。 2022年度は上記の研究結果の一部について学会発表を行った。2023年度は児童発達支援事業所を訪問し、看護師の取り組みの見学と聞き取りを行った。本研究を通して、児童発達支援の場において、看護師はこどもの健康と生活全般、発達を俯瞰したトータルケアを過去から将来にわたる時間軸の中で実践しているという看護師の専門性をとらえることができた。 研究結果の公表に向けて、現在、学会誌への論文投稿の準備を進めている。
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