2019 Fiscal Year Research-status Report
潜在ランク理論を活用したエビデンスに基づく作業機能障害支援プログラムの開発
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19K24183
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
寺岡 睦 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 講師 (60846103)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 作業機能障害 / 作業機能障害支援プログラム / 作業療法介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医療者を対象に作業機能障害の重症度に対応したエビデンスに基づく支援プログラムを新開発することである。本年度は、国内外の作業療法の介入プログラムに関連する先行研究の整理検討を行った。作業療法(仕事、遊び、レジャー、休息、睡眠、ADL、IADL、教育、社会参加)は作業を通して健康、幸福、参加を促進するアプローチである。そのため、レビューでは作業を扱った幅広い領域で明らかになった先行研究を収集した。その結果、不適切な作業は死亡率、罹患率、再発率を高めることが明らかになった。作業を適切に行えていないと、身体の痛みを訴えたり、循環器系への悪影響を及ぼしたりするなど身体的健康と幸福にネガティブな作用をもたらすことがわかった。また、そうした作業はフラストレーションを溜め、ストレスを高めるなど精神的健康と幸福に悪影響を与えていることも明らかになった。さらには、不適切な作業の中には、他者とともに作業をできない孤独、孤立なども含まれ、社会との接点を失った作業に従事していると社会的健康と幸福にも悪影響を示すことも明らかになった。反対に、作業機能障害の予防という観点から見ると、作業遂行の向上、作業との結びつきの改善、作業バランスの是正、物理的・社会的な環境調整等を行うことが有益であるとわかった。特に労働者の場合、仕事と休息のバランス、心身のコンディションに合わせた職務遂行、学習による知識と技術の刷新、レジャーを行うために仕事や家事などをサポートしてくれる周囲からの協力体制の構築等がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、国内外の先行研究の検討を通して、医療従事者の作業機能障害に対する介入プログラムを整理することだった。おおよそ当初の予定通りに進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、本年度の成果を踏まえて、エビデンスに基づく作業機能障害支援プログラムの有効性を検討するために、作業機能障害を体験している医療従事者を対象に有効性を探索的に検討する。研究協力に同意を得られた対象者に対して、作業機能障害支援プログラムを実施していく。その後データ分析を行う予定である。その結果を踏まえて、作業機能障害支援プログラムのさらなる洗練を行っていきたい。
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