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2019 Fiscal Year Research-status Report

医療経済評価における非選好型尺度からQOL値へのマッピング手法に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 19K24193
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

萩原 康博  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60844040)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2021-03-31
Keywords医療経済評価 / 費用対効果 / マッピング / 効用値 / 欠測データ / バイアス
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、「欠測データ解析の枠組み」を用いて、医療経済評価を行う際にマッピングにより期待QOL値をバイアスなく推定できる条件を導出した。この条件は3つからなり、そのうちのひとつは欠測データ解析で重要な役割を持つmissing at randomの仮定と密接な関係を持つことがわかった。また、マッピングに関する既存のガイドラインで指摘されていたソース尺度とターゲット尺度の「重なり」がバイアスのない期待QOLの推定に重要であることも確認できた。さらに、ソース尺度でとらえられないQOL値への影響を持つ共変量をマッピングアルゴリズムに含めるべきという知見が得られた。これら3つの条件は医療経済評価を行う際に用いるデータだけからでは成り立っていることを確認することはできない一方、外部データを使うことで成り立っていることを支持する知見を得ることはできることが分かった。
これら3条件が成り立つ状況と、成り立たない状況でのシミュレーション実験を行い、以下の2点の知見を得た。(1)これらの条件が成り立たない状況では医療経済評価で用いる期待QOL値にバイアスが生じる。(2)マッピング手法の性能指標として広く用いられている平均自乗誤差が小さくても期待効用値にバイアスが生じる一方、平均自乗誤差が大きくても期待QOL値にバイアスが生じないことがあることを示した。
これらの成果をまとめ、医療経済評価を扱う世界最大級の学会である国際医薬経済・アウトカム学会の欧州会議で発表した。さらに、これらの成果を論文にまとめ、現在査読中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、理論研究、シミュレーション研究、実データ解析の3つのサブ研究からなる。これらのうち前者2つの研究で学会発表・論文投稿をするのに十分な成果が得られた。さらに学会発表を行い、論文投稿を開始した。1年半の研究期間のうち、半年たった時点でおおむね全研究の3分の2を終えていることになる。よって、進捗状況は「おおむね順調に進展している」とした。

Strategy for Future Research Activity

今後は、実データ解析を行う研究を進める。EORTC QLQ-C30というがん特異的非選好型尺度とEQ-5D indexというQOL値を事例に取り上げ、最近のバリデーション研究で扱われた既存のマッピング手法が、上記で得られた条件を満たすか評価する実証研究を行う予定である。本研究では「欠測データ解析の枠組み」にもとづくため、上記で得られた個々の条件は何らかの統計的パラメータの形で表現できる。この点を利用し、個々の条件を表すパラメータの点推定値および95%信頼区間から上記で得られた条件が成り立っていることをデータが支持しているか実証する。

Causes of Carryover

物品費はシミュレーション実験用の計算機を購入する予定であったが、研究室にすでにある計算機を用いることで十分なシミュレーション実験を行うことが可能であった。来年度、実データ解析に別途計算機が必要な場合は、今年度の予算で購入する。
情報収集のための学会参加をせず、理論研究を優先したため、旅費の使用額が予定より少なくなった。使用しなかった予算は、次年度のデータ解析のための情報収集および成果の発表のための学会参加に使用予定である。
データ解析の補助をお願いするために謝金の予算を計上したが、理論研究およびシミュレーション研究を先行させることにしたため、この予算は使用しなかった。この経費は次年度データ解析を行う際に使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] What is a valid mapping algorithm in cost-utility analyses? An answer from a missing data perspective2019

    • Author(s)
      Hagiwara Y, Kawahara T, Shiroiwa T
    • Organizer
      International Society for Pharmacoeconomics and Outcome Research Europe 2019
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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