2021 Fiscal Year Annual Research Report
Quality of Life in severe dementia
Project/Area Number |
19K24196
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永田 優馬 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (90832824)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 重度認知症 / QoL / 生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,重症度特異的なQuality of Life (QoL) 評価尺度を用い,重度認知症者のQoLに影響を及ぼす要因を認知機能と日常生活活動だけでなく,Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia (BPSD),苦痛や施設のハード面などの物理的環境面との関連性を捉えて特定することを目的としていた。R3年度は,重度認知症者用のQoL評価尺度 (QUALID-J) を用いて,昨年度とは異なった新たな分析手法によりQoLの縦断的な変化を確認した。 重度認知症者48名に対し、ベースライン時点とその6ヶ月後にQUALID-Jを評価し,総合得点ならびにQUALID-Jの下位因子であるdiscomfort得点とcomfort得点の分析を行った。縦断的変化の検定にWilcoxon符号順位和検定を用いた。 その結果,対象者は48名(女性38名),年齢87.5±7.59歳,MMSE平均得点は3.5±3.9点であった。ベースラインと半年後の総点の平均は27.0±7.05点と26.0±6.0点,discomfort得点は15.0±5.7点と12.5±4.9点,comfort得点は9.5±2.2点と10.0±1.8点であった。ベースラインおよび半年後の比較を行ったところ,QUALID-J総点 (p = 0.341),discomfort得点 (p = 0.098) およびcomfort得点 (p = 0.483) のいずれにおいても有意差が確認されなかった。つまり、QUALID-Jの総点およびその下位因子において有意な変化が確認できなかった。これは重度認知症者のQoLが安定していた可能性がある。ただし,discomfortの下位因子は差の傾向が確認できたことから,今後はより長期的な検討を行う必要がある。
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