2019 Fiscal Year Research-status Report
看護師の臨床経験年数による倫理的感受性の変化と組織的な倫理教育に関する縦断研究
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19K24202
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
角 智美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (90847899)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 倫理的感受性 / 臨床看護師 / 看護倫理教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、臨床で働く看護師の倫理的感受性について、臨床経験年数による変化と、組織的な看護倫理教育との関連を明らかにすることである。 先行研究として2018年と2019年の2回、公立急性期A病院の臨床看護師を対象として倫理的感受性に関するアンケート調査している。2020年度は、2019年調査のデータ分析を行うとともに、3回目のアンケート調査を実施した。 2019年度の調査結果は、対象者数が473名で有効回答数368部(有効回答率77.8%)であった。属性として年代は、20代が91名(24.7%)、30代が97名(26.4%)、40代が122名(33.2%)、50代以上が58名(15.8%)であった。臨床看護経験年数の平均値±標準偏差は15.4±9.6年であった。倫理的感受性は「臨床看護師の倫理的感受性尺度(角,森.2018)」を使用し、3因子の平均値±標準偏差は、[尊厳の意識]3.2±0.6、[専門職としての責務]4.2±0.4、[患者への忠誠]4.0±0.5であった。 2020年のアンケート調査は、2020年3月に同じ公立急性期A病院の臨床看護師を対象として実施した。調査内容は、①個人属性:臨床経験年数、年代、②倫理的感受性、③倫理教育における経験の有無:ラダー研修受講の有無、倫理研修会への参加、倫理カンファレンスへの参加、倫理コンサルテーションへの依頼、事例検討会への参加、④倫理に関する知識の程度:患者の権利、看護者の倫理綱領、徳の倫理、倫理原則、ケアの倫理、4分割法による事例展開、⑤倫理的問題への対応の程度とした。 その結果、アンケートの配布数は486部で回収数は396部(回収率81.5%)であった。無効回答が10部あり、有効回答は386部(有効回答率79.4%)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年調査のデータ分析と、2020年3月に計画していたアンケート調査は終了しているが、2020年3月実施の調査に関しては、データを分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2020年3月に実施した調査のデータ分析を進めていく。分析内容としては、臨床看護師の倫理的感受性と、倫理教育における経験の有無、倫理に関する知識等の関連を明らかにする。また先行研究として実施した2018年、2019年の調査結果との比較を行い、臨床看護師の倫理的感受性が臨床経験年数によって3年間でどのような変化が起きているのかを明らかにしていく。 更には、4回目の調査として計画しているアンケート調査を2021年3月に実施できるように準備していく。
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Causes of Carryover |
今年度はアンケート調査に伴う経費を申請していたが、用紙や封筒等は手持ちの物で間に合わせることができた。次年度のアンケート調査においては、今年度使用した物品費を含めて請求することとした。
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