2019 Fiscal Year Research-status Report
次世代育成力の母娘世代間伝達を活用した性成熟期女性への健康支援プログラム開発
Project/Area Number |
19K24209
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
菱谷 純子 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 講師 (20586458)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 次世代育成力 / 母娘関係 / 世代間伝達 / 性成熟期女性 / ヘルスリテラシー |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の成果は,第一に母親から娘に次世代育成力がどのように伝えられ,理解されているか明らかにするための質的研究の準備を整えたことである。 まず直接対面する方式でフォーカスグループインタビューの研究計画を立案し倫理審査会の承認を受け,調査対象者を募集した。しかし,COVID-19(coronavirus disease 2019)感染拡大防止のために調査実施を延期せざるを得ず,調査を再開するためのオンラインによるインタビュー調査の準備を整えた。これにより,2020年度に調査を再開することが可能になった。 第二に,性成熟期女性の性と生殖に関する健康向上に役立つ教育的支援プログラム試案を作成するための文献検討について論文投稿し,掲載された。さらに現在投稿中の論文がある。 第三に,作成したプログラム試案を実施し,有効性を評価するための副次的評価項目について検討した。主要評価項目は健康であり,健康に関する生活の質を測定する尺度を用いて評価する。またCOVID-19感染拡大防止や在宅での自粛生活が継続される現状において,女性の性と生殖に関する健康には,対人的な関係性が影響する。したがって,プログラム試案を実施し評価するための介入研究では関係性を副次的評価として活用することを検討中である。 加えて,具体的な支援方略を提供するためのシステム準備を開始した。本計画申請の際には対面式とオンライン支援の併用を想定していた。しかし,在宅勤務や学生を対象にしたオンライン授業が急増した現状から,オンラインによる教育的支援を受けることが普及されたため,本研究で作成する支援プログラムも主にオンラインで行うことができるように準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
進捗状況は遅れている。COVID-19感染拡大防止のための自粛生活については当初予測しておらず,直接対面するフォーカスグループインタビュー調査を中止した。このため進捗が遅れた。一方,フォーカスグループインタビュー調査後に作成予定の教育的支援プログラムに必要な文献検討は進行できた。また,作成した支援プログラムの有効性を明らかにするための評価指標についての検討を行い,調査のためのフィールド確保を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究推進上の課題は,COVID-19感染拡大防止である。複数の参加者が集合し,対面するフォーカスグループインタビュー調査実施には感染リスクが存在するため,実施が難しい。この課題に対応し,研究を推進するためにオンライン調査を活用する。 一方,オンライン調査は,対面式と比較した場合に表情や声のトーンなどの言語以外の情報を得ることが難しいという課題がある。また,これまでの質的な学術調査では対面式が主流であったため,質の高いデータを収集し,分析することが課題になる。これらの課題に対応するために,オンライン調査実施と分析についてスーパーバイズを受ける。 同時に教育的支援プログラム作成とその有効性を評価する研究のための文献検討を行う研究メンバーを増員することにより研究を推進する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,質的調査の調査対象者への謝礼などを使用しなかったためである。2019年度は母親から娘に次世代育成力がどのように伝えられ,理解されているか明らかにするためのフォーカスグループインタビューの準備を整え,調査対象者を募集した。しかし,COVID-19感染拡大防止のために直接対面する方式での調査を中止した。感染リスク低減への対応として,調査方法をオンラインによるインタビュー調査に変更した。これを2020年度に実施するため,謝礼などは2020年度に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)