2019 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者の睡眠へのアロマセラピーの効果:芳香浴とハンドマッサージの比較
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19K24213
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
川崎 絵里香 関西医科大学, 看護学部, 助教 (40580543)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | アロマセラピー / 統合失調症 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症患者の多くには、入眠困難などの睡眠障害が見られる。睡眠障害は、生活の質の低下やセルフケアレベルの低下だけでなく、精神症状の悪化の前兆としてみられることもあり、統合失調症患者にとって良質な睡眠は重要である。しかし、睡眠障害の改善に使用される抗不安薬や睡眠薬等の向精神薬の多剤・長期使用には多くの課題が生じる。そこで、本研究では、統合失調症患者の睡眠障害に対してアロマセラピーを補完的に用いることでの睡眠への効果期待し、アロマセラピー実施前後の睡眠状況の変化を比較検討することを目的とする。 本年度は、統合失調症患者の睡眠障害に対して効果的な精油の検討を行うことを目的として、国内外の先行研究より、看護分野で実施されているアロマセラピーの介入方法および使用精油とその効果についての調査を行った。また、現在、アロマセラピーを実施している精神科病棟において、参加者より精油に関する好みや、アロマセラピーを受けたことによる主観的な効果についての聴取を行い、介入に使用する精油の選定を行った。 その結果、今後の介入では、睡眠の質の向上やリラクセーションに効果が期待でき、先行研究において様々な対象者への睡眠の効果が得られている「ラベンダー」と「スウィートオレンジ」の精油を使用したハンドマッサージと芳香浴を実施する。睡眠の状況を評価する指標としては、「不眠の程度」「睡眠状態」「睡眠の質」の3つを用い、アロマセラピーの睡眠への効果を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
入院中の統合失調症患者へのアロマセラピーを実施するにあたり、協力機関との実施方法、実施時期の調整に時間を要した。その後、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、病院内での実施が困難な状況になっているため、研究の実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力機関との調整は完了しているため、新型コロナウイルスの感染リスクが減少し、病院内でのアロマセラピーが実施可能になった時点で、介入調査を行う。今年度内の病院内での介入が困難な場合には、地域在住の統合失調症患者で、個別対応での介入や、オンラインを活用してのセルフハンドマッサージ方法の個別教育後、対象者自身に実施していただく等、睡眠障害を持つ統合失調症患者に対してのアロマセラピーの提供方法の再検討を行う。
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Causes of Carryover |
アロマセラピーでの介入を予定していたが、実施に向けての協力施設との調整等に時間を要したため、介入の際に使用する物品、出張費、学会等での結果発表を行うための出張等が中止となったため、次年度使用分が発生した。 次年度は、アロマセラピーの介入、介入のための出張、学会出張のためにで使用する予定である。
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