2020 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症患者の睡眠へのアロマセラピーの効果:芳香浴とハンドマッサージの比較
Project/Area Number |
19K24213
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
川崎 絵里香 関西医科大学, 看護学部, 助教 (40580543)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | アロマセラピー / 統合失調症 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの精神疾患患者は、睡眠障害の合併率が極めて高く、気分障害や統合失調症の急性期患者で80%以上、慢性期や外来患者では40%であると言われている。不眠症状は、QOLの低下やセルフケアレベルの低下、精神症状悪化の前兆として見られることがあり、精神疾患患者にとって良質な睡眠は重要である。しかし、精神疾患患者の不眠で使用される抗不安薬や睡眠薬等の向精神薬の多剤・大量、長期的な使用は、多くの課題が生じる。一方、アロマセラピーは、リラックスや緊張緩和、睡眠障害及び睡眠覚醒リズムの改善等といった精神面に関する効果が期待できる方策のひとつとして用いられる。 そこで、本研究では、精神科入院患者数の割合が多く、不眠症状が多く見られる統合失調症患者の看護援助として芳香浴とハンドセラピーという2種類のアロマセラピーを実施し、効果を明らかにすることを目的とた。不眠症状を呈する統合失調症患者に対して、先行研究で、様々な状況の対象者に対して、睡眠への効果が得られている「ラベンダー」「スウィートオレンジ」の混合オイルを用いたハンドセラピーと芳香浴を用いたアロマセラピーを就寝前に実施(7日間)し、介入前(4日間)と介入中(7日間)、介入直後の睡眠リズム、睡眠に関する頓服の使用、睡眠に関する自己評価の変化を調査し、アロマセラピーの睡眠への効果を検討した。研究対象者7名のうち、介入、睡眠に関する自己評価アンケートが完了した5名を分析対象とした。その結果、睡眠に関する自己評価で改善が見られ、アロマセラピーが不眠症状を呈する統合失調症患者の睡眠の自覚的状態に関して効果が期待できることが示唆された。
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