2022 Fiscal Year Annual Research Report
乳児の安全を創出する妊娠期・地域協働型集団教育プログラムの開発と効果検証
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19K24223
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 千可子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80845751)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 傷害予防 / 妊婦 / 母子保健事業 / プログラム開発 / 予防行動 / 乳児 / 集団教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022(令和4)年度は、地域の母親学級で実施した傷害予防教育プログラム介入試験の2年後追跡調査を分析し、プログラムの見直しを行った。分析の結果、事故の有無(病院受診あり/なし別、事故の種類別)については、プログラム受講群と未受講群の間で発生割合に有意差はなかった。病院受診なしの事故に限ると、一部の事故の発生割合が受講群では有意に少なかった。また、受講群は2年後でも傷害予防に対する意識が高く、予防に対する意識が高いほど、事故(病院受診なし)の発生が有意に少ないという結果となった。妊娠期に傷害予防集団教育を提供することで、長期的に傷害予防についての意識が高まり、安全な環境整備や育児行動が促進される可能性が示唆された。ロジックモデルの内容が強化された部分と、見直しの必要がある部分が明らかになった。追跡調査の結果は、国際誌で発表した(2022)。 一方、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、自治体の母子保健サービスは中止や縮小を余儀なくされた。当初、長期的効果の検証後、プログラムの見直しを行い、他地域での母親学級での展開を計画していたが困難となった。自治体では、非対面による情報提供の必要に迫られ試行錯誤することとなった。母親達が希望する傷害予防教育の内容・提供時期・提供方法について把握するため、オンラインによる実態調査を行った。結果、パンデミック下でも、母親学級や健診など対面による母子保健事業で傷害予防の情報を得たいという回答が最も多く、半数を超えた。従来型の対面型集団教育プログラムのニーズが根強いことが示されたとともに、喫緊の課題となった非対面型教育プログラム開発に資する基礎データを得た。
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