2021 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンDの供給経路による運動機能への影響の検討ー地域住民コホート研究ー
Project/Area Number |
19K24226
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牧田 和也 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (10843352)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | ビタミンD / 紫外線 / 骨粗鬆症 / サルコペニア / 地域住民コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度、2021年度とも新型コロナウイルスの影響により住民検診の実施ができなかったため、過年度の既採血検体を使用して測定、解析を行なった。 最終的には2016年、2017年に実施した住民検診参加者の合計260人で血清ビタミンD値を測定した。Food Frequency Questionnairesと屋外活動時間により、被検者をビタミンD経口摂取優位群、中間群、紫外線による皮膚産生優位群の3群に分けて、解析を行った。各群の年齢性別BMIに差は認めず、血清ビタミンD値も差を認めなかった。 経口摂取優位である群に比べて皮膚産生優位である群は骨密度や骨折発生状況に差はなかったものの、筋力・筋量に優れ、体脂肪率も低いことを確認した。変形性膝関節症の有無、ロコモ度テスト、QOL評価に関しても比較したが、差は認められなかった。 この結果より同じ血清ビタミンD値であっても、ビタミンDを経口摂取するよりも紫外線により皮膚で産生する方が筋力・筋量・体脂肪率に良い影響を与える可能性が示唆された。 研究の動機となったマウスにおける実験では骨及び筋に対してビタミンD摂取経路の違いによる影響が示された。今回の住民検診による結果では骨への影響は認めなかったものの、筋への影響はヒトでも紫外線により皮膚で産生するビタミンD摂取が経口摂取とは異なる影響を与える可能性が示された。 解析結果について学会発表及び論文投稿準備中である。
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