2020 Fiscal Year Research-status Report
がんゲノム啓発を目的としたまんが教材を用いた教育効果の検証
Project/Area Number |
19K24228
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
十川 麗美 岡山大学, 大学病院, 技術職員 (20851637)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 遺伝 / がん / がんゲノム / 市民啓発 / がん教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、がんゲノム医療が加速している。がんは中高年のみの病気ではなく、若い人々を含めた国民全体の課題である。我が国では、2人に1人が生涯のうちにがんに罹患し、最近、15歳から39歳までのAYA世代(Adolescent and Young Adult)で年間約2.1万人ががんと診断された。世界的にゲノム情報を用いたPrecisionMedicineが提唱され、本邦でも2018年よりがんゲノム医療中核拠点・連携病院が選定され、ゲノム医療が拡大している。 現在、文部科学省によって小中学校を中心にがん教育が施行され、平成30年の「第三期がん対策推進基本計画」では、がん教育の充実が課題となっている。現在のがん教育は、予防やがん検診を中心としたものが多く、ヒト遺伝学やゲノム医学を扱う機会が少なく、リテラシー向上は急務である。 本研究では、一般市民を対象とした継続的な質問紙調査を実施することとし、得られた知見をもとにフィードバックを行い、健康管理やがん予防に繋がる適切な方策を明らかにする。2019年度は一般市民への広報ツールの作成、講演会やフォーラム実施のための情報収集、質問紙調査の準備及び検討、市民啓発の取り組みに関する報告を学術集会で発表した。2020年度は市民向け公開講座「吉備創生カレッジ」での講義や科学技術振興機構主催のサイエンスアゴラにて「Genetic Cafe遺伝を知ろう!」を開催し、対象者に対して質問紙調査を行った。また、乳がんに関するYou Tube動画「BC Tube」とコラボレーション動画作成や遺伝啓発プロジェクトとして「Genetic Cafe」の商標登録も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は、一般市民への広報ツールとしてホームページ開設、リーフレットの作成、講演会やフォーラム実施のための運用に関する情報収集、質問紙作成および実施するために学内倫理審査委員会の承認を得た。2020年度は、昨今の状況を鑑み、一部研究計画を再考し、市民向け公開講座や科学技術振興機構主催のサイエンスアゴラにて市民啓発プロジェクト「Genetic Cafe」を行った。その他、がん教育を実施する教員や高校生等のその他対象者にも調査を行う予定であった。しかし、COVID-19の影響を受け、当初の予定に反して計画に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、がん教育を実施する教員や高校生等のその他対象者に調査を行う。作成した広報ツールを用いてがんゲノムや遺伝に対する啓発活動を呼びかけ、講演会やフォーラムを実施し、質問紙調査で評価することで情報提供の内容や教材媒体の種類、啓発活動の実施方法の検討を行い、がんゲノムや遺伝に対する効果的な継続的方策を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響により当該年度に予定していた研究実施ができなかったため残額が生じたが次年度に実施であるため当該費用に支出する予定である。
|
Remarks |
1.『みんなで学ぶ「遺伝」』市民向け公開講座:大学コンソーシアム岡山令和2(2020)年度後期「吉備創生カレッジ」での講義2020.10.31.岡山 2.「Genetic Cafe 遺伝を知ろう!」サイエンスアゴラ2020. 11/15~11/22. Web開催 科学技術振興機構
|
-
[Presentation] がん遺伝子パネル検査受検を契機にHBOCが判明し本人および血縁者介入につながった一例2020
Author(s)
十川麗美,小川千加子,蓮岡佳代子,冨田秀太,井上博文,松原岳大,二川摩周,浦川優作,河内麻里子,山本英喜,増山寿,平沢晃.
Organizer
第26回日本遺伝性腫瘍学会
-
[Presentation] がんゲノム医療外来で遺伝性腫瘍が疑われた症例に関する詳細と当院の取り組み2020
Author(s)
十川麗美,河内麻里子,二川摩周,加藤芙美乃,蓮岡佳代子,浦川優作,坂井美佳,山本英喜,遠西大輔,冨田秀太,平沢晃.
Organizer
第65回日本人類遺伝学会
-
-