2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on prevention of sleep disturbance-induced postoperative delirium after general anesthesia
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19K24230
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
尾崎 由 長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (00850653)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / ラメルテオン / 予防投与 / 全身麻酔 / 睡眠障害 / 睡眠周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題における対象患者は、研究開始当初は全身麻酔下で手術を予定している60歳以上の高齢者および12歳以上の障害者の患者のうち、入院前に既に不眠の診断を受けて不眠症治療薬の内服を行っている患者を対象としており具体的に決定していなかった。そのため、長崎大学病院にてせん妄評価リエゾンチームを担当する精神科医師と協議を行った結果、高齢者に関しては全身麻酔下で泌尿器科手術、産婦人科手術、消化器外科手術などの侵襲の大きな手術を行う60歳以上85歳以下の患者を対象とし、障害者に関しては全身麻酔下で歯科治療、口腔外科処置を行う12歳以上の自閉性スペクトラム障害患者を対象とすることとし、患者入院前にアテネ不眠尺度で4点の「不眠症の疑いあり」あるいは6点以上の「不眠症の可能性が高い」患者を対象とすることとした。 また、メラトニン受容体アゴニストであるラメルテオン製剤(ロゼレム)の投与期間についても、研究開始当初は実験群では手術3日前からロゼレムに切り替えて内服する予定としていたが、薬剤部の薬剤師と協議を行い、全身麻酔7日前から手術7日後まで14日間、持参薬の不眠治療薬にロゼレムを追加投与することとなった。それに伴い、充電の持続時間の長い腕時計型睡眠周期評価計を選択する必要が出てきたため、最大20日間分の充電可能なXiaomi Mi Smart Band4 活動量計を候補に挙げ、作動確認を行っている。 研究計画に変更が生じたため、新たに長崎大学病院臨床研究倫理委員会に研究計画書を提出することとなり、現在倫理申請中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手術(全身麻酔)前後のメラトニン受容体アゴニストであるラメルテオン製剤の内服期間の検討が必要になり、さらに、研究対象者である高齢者と障害者に対する主評価項目を変更したため、それぞれ新たに長崎大学病院臨床研究倫理委員会に研究計画書を提出することとなり、現在倫理申請中である。また、使用する腕時計型睡眠周期評価計をXiaomi Mi Smart Band4 活動量計へと変更したため、評価計の作動確認を行っている。対象患者の診療科担当医師や病棟看護師、薬剤部などと共同で患者評価を行う必要があるが、すでに受け入れ体制を整えており、倫理申請の許可後直ぐに研究を実施可能となるため、本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
長崎大学病院臨床研究倫理委員会での倫理審査後、病院長の許可を得たらすぐに研究を開始する。 研究対象者は長崎大学病院を受診し全身麻酔下で泌尿器科手術、産婦人科手術、消化器外科手術などの侵襲の大きな手術を行う60歳以上85歳以下の高齢者、および長崎大学病院を受診し全身麻酔下で歯科治療、口腔外科処置を行う12歳以上の自閉性スペクトラム障害の患者を対象とする。研究同意を得た患者のうち、メラトニン受容体アゴニスト(ロゼレム)を追加投与する実験群に割り付けられた患者には、全身麻酔7日前から術後7日後までロゼレム1回8mgを14日間、就寝前に持参薬の不眠治療薬と一緒に経口投与する。ロゼレムを追加投与しない対象群に割り付けられた患者には、持参薬の不眠症治療薬のみを処方どおりに経口投与する。患者に対して腕時計型睡眠周期評価計(Xiaomi Mi Smart Band4 活動量計)を装着してもらい、術前7日前から術後の第7病日までの計14日間に自宅および病棟のベッドサイドで睡眠周期を連続的に評価する。機器により体動と呼吸を総合的に判断して、周術期の睡眠の各相(睡眠周期、ノンレム睡眠出現率、レム睡眠出現率)を測定する。 主評価項目は、高齢者では全身麻酔後3日~5日以内に起こる急性の術後せん妄の発生率とし、障害者ではノンレム・レム睡眠障害の発生割合とする。副次的評価項目は、高齢者では入眠時間および周術期のノンレム睡眠およびレム睡眠の出現率から診断する、概日リズム睡眠障害の発生割合とし、障害者では睡眠周期のズレとし、睡眠後退・前進を評価する。目標症例数は高齢者・障害者の各片群45例でサンプルサイズを設定し、全体で180例を設定する。適切な統計解析を行った後に、本研究の研究成果は国内外の学会などで発表を行い、データの総括が終了した後は英文論文として誌面報告する予定である。
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Causes of Carryover |
使用する腕時計型睡眠周期評価計をXiaomi Mi Smart Band4活動計へ変更したことにより作動確認が必要となり、必要な個数の購入を今年度行っていないため次年度購入する予定である。また、Xiaomi Mi Smart Band4活動計による測定データはMi Fitアプリに記録されるため、アプリを使用するためのデバイスも同時に次年度購入する予定である。さらに、研究計画に変更が生じたため臨床研究の倫理申請が遅れ、対象患者への謝金の支払いも今年度行っていないため、次年度行う予定である。以上のことより、次年度使用額が生じた。
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