2019 Fiscal Year Research-status Report
原発事故後の福島の科学的事実に関する「誤解」の実態と人々の価値観との関連の検証
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19K24231
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中山 千尋 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (10849110)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 福島 / 原発事故 / 放射線 / 健康影響 / 誤解 / 価値観 / 科学 / 政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度(具体的には2020年3月中)に、オンライン調査による「プレテスト」を実施する計画で、その準備を行った。震災後の福島と、福島についての誤解されているイメージや誤情報等に関連する先行調査・研究及び、資料の収集を行った。本研究における目的変数としての調査対象は、「現在の福島についての誤解の程度」であるが、これに関係している、三菱総研が2017年から行っている調査の2回目の報告が 2019年10月にあった。その結果や他の報道関連資料等から、福島についての「誤解」の分野は「食品」、「健康被害」、「次世代影響」、「居住」、「空間線量」に定めた。 また「価値観」についての先行調査・研究例、及び資料の収集、分析を行った。中心となった調査は、1981年から5年毎に世界100ヵ国以上で実施されている「世界価値観調査 World Values Survey」である。この調査の質問、結果、この調査データを使った先行研究等を検討した。また、その他の調査・文献の検討を行った。その結果、本研究での仮説における説明変数は「価値観」、「政治」、「科学」、「原発」、「陰謀論」、「福島について」、「情報源とメディア」の分野と定めた。更に関連する先行研究例、資料等を検討し、全部で42問から成る予備調査用の質問紙を作成した。また、福島県内50人、東京都内50人を対象とした「プレテスト」の経費見積りを、オンライン調査会社に依頼し、準備をほぼ終わった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来は2020年3月中に「プレテスト」を実施する予定であったが、現在まだ実施していない。遅れた原因は、2020年2月に入ってからのコロナウィルスによる「新型肺炎」の流行である。社会の関心が圧倒的にこの「パンデミック」に集中し、特に「政治」や「科学」、あるいは「陰謀論」については、オンラインでの調査結果に何らかの(一過性の)影響が出る事が懸念された。さらには、作成した質問紙には、結局延期された「東京オリンピック」についての質問もあった。このため、予備調査を次年度、「新型肺炎」がやや落ち着いてから行うことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
「新型肺炎」の流行が収まり次第、「プレテスト」を速やかに行う。さらにはその結果を踏まえ、質問の修正、追加、削減等を行って、今年度中に本調査を実施、結果の分析を行なう。
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Causes of Carryover |
当初予定では2020年3月にオンライン「プレテスト」まで行う計画だったが、「コロナウィルス」による新型肺炎の流行があった。プレテストの結果に影響が出ること等を懸念し、実施を見送った。このため初年度の支出は「プレテスト」の準備費用が主体となった。「プレテスト」は次年度、新型肺炎の流行がある程度落ち着いてから、実施する予定である。得られた結果によって質問紙の修正、追加等を行い、本調査を実施する。
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