2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a urinary assessment index in the delivery for prevention of postpartum urinary incontinence
Project/Area Number |
19K24233
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
北島 友香 富山県立大学, 看護学部, 助教 (00846131)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 排尿アセスメント / 分娩期 / 産褥早期 / 妊娠後期 / 膀胱内尿量 / 携帯型超音波診断装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、分娩期および分娩後早期の膀胱内尿量の推移と関連因子を明らかにし、尿失禁を中心とした女性の排尿に関するトラブル予防に向けた排尿アセスメント指標を開発することである。2019年度は、経腟分娩予定の単胎妊娠の女性を対象に、妊娠後期、分娩直後、産褥1~5日目に膀胱内尿量と排尿に関する自覚を調査した。膀胱内尿量の測定には、携帯型超音波診断装置を用いた。2020年度は得られたデータの分析を行い、妊娠後期から産褥早期までの下部尿路機能の特徴を見出すとともに、産後の下部尿路症状の関連因子を対象の特性や妊娠中の下部尿路機能、分娩経過、産後の下部尿路機能から探った。 その結果、妊娠後期の下部尿路症状は、昼間頻尿、夜間頻尿、尿失禁、尿意切迫感、残尿感の順に多く、100ml以上の残尿を認める妊婦もいた。残尿の有無と残尿感の有無は一致しない一方で、残尿がある妊婦は尿意切迫感を感じている割合が高い傾向にあり、これらの結果は学会にて発表を行った。 分娩直後は、膀胱内尿量は経時的に増加し1時間あたりの尿の貯留量が多く膀胱が充満しやすい一方で、尿意の知覚は減弱しており一般的に我慢できない尿意を感じる膀胱内尿量を超えていても切迫した尿意を感じていなかった。また、正常な分娩経過でも初回排尿後の残尿量が150ml以上の対象が複数名おり、排尿筋の収縮力が低下していることがうかがえた。これらの結果は次年度開催の学会で発表を行う。 産褥早期は、産褥4日に尿意減弱がある褥婦はそうでない褥婦と比較して、妊娠後期の尿失禁の重症度が高い傾向があった。産褥早期の下部尿路機能は、分娩に伴う影響だけでなく妊娠に伴う影響も受けており、妊娠に伴う影響は分娩に伴う影響よりも長く作用する可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一時期所属大学内での研究活動を制限せざるを得ず、また教育に関する業務がひっ迫したこともあり、データ分析や他の研究者とのミーティング機会の確保が計画通りに進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
データ分析から得られた知見をまとめ、学会発表および論文投稿による成果報告をすすめていく。
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Causes of Carryover |
データ分析の実施が当初の計画から遅れたことに伴い、成果報告に必要な経費が次年度使用額として生じた。学会参加費、論文投稿料や英文校正費など成果報告に使用する。
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