2021 Fiscal Year Research-status Report
患者自宅における生活動線内の家具の移動介助的機能に着目した転倒リスク基盤の開発
Project/Area Number |
19K24236
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
上田 哲也 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 助教 (00844242)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 転倒予防 / 退院患者 / 動線 / 病院 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
転倒は、高齢者にとって健康寿命や生活の質の維持・向上を阻害する要因である。一般的に、急性期病院からの退院患者では、退院後初期の再転倒が多いという報告があり、地域在住高齢者より病院からの退院患者の方が転倒する割合が高いとされている。 病院での在院日数短縮が加速化している昨今の医療情勢において、十分に動作レベルの回復がしていない、いわゆる転倒予備群の自宅退院の増加が見込まれており、退院患者の転倒に関連する要因を検討することは喫緊の課題である。近年、転倒予防対策に、住環境整備などの外的要因に関する戦略が用いられてきており、住環境と転倒との関連性を検討していくことは、退院後の再転倒を予防するといった観点からも、非常に重要性が高いと考える。しかしながら、従来の報告では、トイレ・浴室・上がり框等の段差改修や手すり設置を中心とした住環境整備の報告が多く、転倒が最も多い居室を含めた生活動線内での、安定した歩行のための具体的な対策がなされていないことが多い。 そこで、本研究では、生活動線内にある家具・建具の移動介助的機能(手すりの代替として使用できる機能を持った机・棚や、椅子の代替として使用できる機能を持った棚など)に着目して、自宅退院される高齢整形外科疾患患者の新たな転倒リスク基盤の開発に着手することを目的とした。今回、急性期病院及び回復期リハビリテーション病院から自宅退院する高齢整形外科疾患患者の住環境を確認し、退院後の転倒・ヒヤリハットとの関連性を検討することは、今後の介入研究等の基礎資料となり得るので、高騰する医療費抑制の観点からも臨床的意義が高いと考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、データ収集作業を行う予定で検討していた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響が予想以上に長引き、予定通り開始できなかった。 2022年度、感染状況の確認を行いながら、様々な代替手段も考慮し本研究を継続して行っていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き新型コロナウイルス感染症の状況を確認しながら、退院患者に対してのデータ収集を行っていく予定である。その後は、データクリーニングを丁寧に行い、データ解析を進めていく。また、本研究の成果を、学会及び論文誌において報告を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
開始予定であったデータ収集が順調に行えておらず、予算執行が出来ていない状況である。今後はデータ収集を開始していく予定のため、前年度分と合わせて予定通り執行していく予定である。
|