2021 Fiscal Year Research-status Report
婦人科がん術後患者の「早期リンパ浮腫自己アセスメントツール」の開発
Project/Area Number |
19K24242
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
矢野 ゆう子 大手前大学, 国際看護学部, 非常勤講師 (70406263)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 婦人科がん / リンパ浮腫 / 早期発見 / 早期介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、婦人科がん術後患者が早期にリンパ浮腫症状に気づき、患者自身が発症の可能性を予測することができる「早期リンパ浮腫自己アセスメントツール」を開発することである。 ①自己評価指標となる自己アセスメントツールの項目案の作成については、項目収集、婦人科がん術後リンパ浮腫患者のヒアリング調査を実施した。リンパ浮腫の発症に関する主観的評価・客観的評価についての動向と知見について文献レビューし、初期症状やQOLへの影響などから自己アセスメントツールに必要な項目を抽出した。文献レビューは先行研究および図書や雑誌、各国のガイドラインを含め、JBI(Joanna Briggs Institute)のスコーピングレビューを参考に実施した。リンパ浮腫の発症を早期に評価できるツールは、乳がん術後リンパ浮腫の論文は多く存在するが、婦人科がん術後リンパ浮腫(下肢リンパ浮腫)は散見される程度であった。また、評価指標として用いられていた既存のツールには、自覚症状(浮腫の程度、重さ、張り、痛みなど)、QOL(SF-36などの一般的なツール、ULL-27などの下肢のリンパ浮腫に特化したのツール)を用いられていることが多かった。 ②婦人科がん術後リンパ浮腫患者を対象に、「どのようなきっかけで、どのような身体的変化を感じていたのか」「その身体的変化を感じた時にどのように捉えて、どのように対処したのか」「医療機関を受診することについてどのように判断し行動したのか」について現状を明らかにすることを目的にインタビュー調査を実施した。インタビュー調査の結果では、多くの対象は、術後早期に下肢や陰部の違和感や腫れなどの初期症状に気づき、医療者に報告をしていたことや、施設間での予防指導の内容や方法に相違があること、医療者に対する不満、家族の支援内容などが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言・蔓延防止措置法の発令に伴って、対象施設の感染症対策により、外部者の立ち入りが制限された。対象施設は大阪、東京、福岡を予定していたため、行動制限の解除後も活動自粛などの影響が大きく、調査時期を見計らっていた。このような理由によって、アセスメントツールの内容妥当性の検討に関する実施が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、アセスメントツールの作成および内容妥当性の検討について専門家会議を実施 し、内容の妥当性およびアセスメントツールの実用性についても検討する。実施は、今後のCOVID-19の影響をみながら対象施設と実施可能な研究方法について検討を重ね、研究方法の変更も視野に入れ同時進行で進めていく。調査の実施が可能となった際には、研究方法やサンプル数、調査時期の調整がつき次第、早急に倫理申請を行うこととする。
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Causes of Carryover |
旅費:コロナ禍による移動の自粛で、学会参加はオンラインとし、施設との連絡もメールでの調整となった。 人件費・謝金:コロナ禍による施設での調査が困難であり、調査が行えなかったことによる。
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