2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of psychological safety scale for patients and families as promoting factors of a patient and family engagement in medical safety.
Project/Area Number |
19K24253
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
荒神 裕之 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40840509)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 心理的安全性 / チーム医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、チームの心理的安全性に関する7つの質問項目(Edmondson A, Administrative science quarterly, 1999)を基に、医療チームの一員である患者・家族の心理的安全性の測定尺度を開発し、患者・家族の心理的安全性の実態を明らかにすることを目的とした。医療分野における心理的安全性に関する論文渉猟を行い、心理学分野での心理的安全性に関する理論的背景をもとに、患者・家族の心理的安全性の測定尺度の候補である30項目の質問項目を作成した。この質問項目について、インターネット調査会社に登録された20-80歳代の性・年齢階級で層別抽出した全国の3857人を対象として調査を実施し、1505人から回答が得られた。本調査結果の解析を行い、患者・家族の心理的安全性の測定尺度の信頼性及び妥当性に関する検証を行った。検証結果からは、4つの因子(「医療者とのチーム(5項目)」「医療者の理解と配慮(6項目)」「医療者との良好でない関係性(7項目)」「医療者への信頼(4項目)」)が導かれ、合計22の質問項目で構成される構造が明らかとなった。信頼性の検証については、クロンバックαを算出し、第1因子の医療者とのチーム(α=0.918)、第2因子の医療者の理解と配慮(α=0.935)、第3因子の医療者との良好でない関係性(α=0.895)、第4因子の医療者への信頼(α=0.845)といずれも良好な結果であった。また、妥当性については、構成概念妥当性の検証として共分散構造分析による解析を行い、先の4因子についてのモデル図とパス図の作成を行って検討を行った。 上記の結果に基づき、本尺度に関する研究論文を作成し、現在、投稿、査読中である。
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