2020 Fiscal Year Research-status Report
Epidemiologic research on the association between dietary habits, non-communicable diseases, and metabolomics of blood and urine.
Project/Area Number |
19K24254
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
高山 雪子 (岡見雪子) 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (60591401)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 栄養疫学 / 国際共同研究 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成29年度科研費基盤(A)「血液および尿のメタボローム解析と食習慣と血圧との相互関係に関する疫学研究(研究代表者 上島 弘嗣)」の付随課題である。INTERMAP研究では4か国17集団、40-59歳男女4,680人に、4日間の24時間思い出し法による栄養調査、2日間の24時間蓄尿、8回の血圧測定、質問紙調査等を実施した(Stamler J, et al. J Hum Hypertens 2003.)。加えて、日本とハワイ在住日系米人の5集団(1,412人)では血液が保存されている(INTERLIPID研究)。これを用いて血液中のメタボローム解析を行い、尿中のメタボローム、栄養調査等と合わせ、食・生活習慣や栄養素摂取量を反映するメタボロームを探索する。 昨年度までに、University of Hawaiiで冷凍保存された計1412人の血清検体を英国Imperial College Londonへ空輸し、The National Phenome Centreにてメタボローム測定を実施した。血清1400検体について、核磁気共鳴分光法(NMR)による測定を終え、血清中の低分子化合物(アミノ酸等)25種およびリポタンパク質とその関連指標112種が定量された。INTERMAP Studyの計172の栄養関連指標および対象者背景とNMRデータとの突合作業を終えた。Imperial College Londonにて引き続き超高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)を用いた質量分析が昨年末に実施され、484脂肪酸関連指標を得た。COVID-19の影響によりロンドンでのLC-MS測定に遅れが生じ同定作業が未実施のため、最終年度はこの代謝物同定作業を行い、NMRデータと合わせて日本人と日系米人における血清中代謝産物を比較し、日米差の要因検討を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Imperial College LondonでのNMR分析は当初予定通り順調に進んだが、2019年度末よりCOVID-19の影響により、引き続きImperial College Londonにて実施される予定であったLC-MS測定の実施に遅れが生じた。2020年度末にデータ納品されたが、代謝物同定作業が未実施であったため、2021年度に同定作業を行い、他データとの突合、データクリーニング、および解析を実施する必要がある。また、ロンドンへの研究打ち合わせや現場視察も行えなくなったこと、Imperial College London研究者の来日が不可となったこと、国際学会発表が延期されたことなどから、当初予定より進行に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年12月に英国Imperial College Londonより、全対象者のLC-MSを用いた血中メタボロームの質量分析結果が納品されたが、同定作業が未実施であった。したがって、今後はこの代謝物同定作業を実施するとともに、これまでのNMRによる代謝物、摂取栄養素および対象者背景データと突合し、クリーニング作業を行う。 データ解析では、日本人と日系米人における血中代謝産物を比較し、日米差が生じる要因の検討を行う。本研究では、同一遺伝子を持ち環境の異なる日本人と日系米人を比較することで、食生活環境に依存する血清中の代謝産物を抽出することが可能である。4日間の24時間食事思い出し法による栄養調査データを用い、それに関連する詳細な食事因子を含めた環境因子の探索を行う。
|
Causes of Carryover |
2019年度末~2020年~現在までのCOVID-19感染拡大の影響により、国際共同研究である本研究の進捗に遅れが生じた。メタボローム測定の実施主体である英国Imperial College Londonにおいて、LC-MS測定作業が一時停止された。また、研究打ち合わせや情報収集のための渡英やImperial College London研究者の来日が不可能となったこと、国際学会発表が延期されたこと等から当初計画より旅費使用が減額した。 次年度は最終年度となるため、これまで収集したデータ解析のまとめを行い、学会発表や論文発表などの研究成果発表、それに伴う校正費用や投稿費用に使用する予定である。
|