2019 Fiscal Year Research-status Report
Development and Evaluation of a Localised Cognitive Behavioural Therapy for Drug Use Disorders in Indonesia
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19K24256
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 千佳 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (30848958)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 薬物依存症 / インドネシア / 認知行動療法 / 低中所得国 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本で効果が検証され、普及している薬物依存症への認知行動療法Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program(SMARRP)を参考に、インドネシア版のモジュールを作成した。まず、SMARRPの開発者の許可のもと、SMARRPで使用されているワークブックをインドネシア語に翻訳した。その後、インドネシア大学精神医学教室のメンバーと協議を重ね、インドネシアの薬物使用の背景に合わせて修正を加えた。さらに、インドネシアにおいて、精神科医師(n=6)、一般科医師(n=3)、当事者ピアカウンセラー(n=2)、当事者(n=4)を対象に、focus group discussionを2回行なった。その結果を反映させ、インドネシア版の認知行動療法Indonesia Drug Addiction Relapse Prevention Program (Indo-DARRP) のワークブック案(B5サイズ194ページ、全26チャプター)を完成させた。SMARRPからの主な変更点を列挙すると、ヘロイン依存症と治療法について追加、ベンゾジアゼピン依存症について情報追加、危険ドラッグの章をNew Psychoactive Substanceとし内容変更、不法に製造されたアルコールについて情報追加、パチンコ・飲み会など日本特有の社会背景を削除、理解度向上のため2チャプターごとにTake Home Chapterを挿入、である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ワークブックの開発までは順調に進めることが出来た。しかし、3月から開始を予定していたパイロット介入は、インドネシア国内でのCOVID-19感染拡大の影響で、開始出来なかった。現在、集団での介入はインドネシア政府の規制により難しく、個別の精神科診療もオンラインもしくは15分以下の対面面接のみ許可されている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインでのCBT提供を検討中である。もしもオンラインでの遠隔での治療効果が確認できれば、インドネシアの郊外や離島など医療資源へのアクセスが乏しい地域でも、今後普及が見込まれ、意義は大きい。また、交通費や移動にかかる時間が原因で治療にアクセス出来ない人々にも治療を提供できる。しかし、その一方で、スマートフォンを所持している人に限定されるという制約もある。
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Causes of Carryover |
インドネシア国内でのCOVID-19感染拡大の影響により、本年度のパイロット介入開始が遅れ、次年度使用が生じた。今後(次年度)、パイロット介入及び関係者らへのインタビューを実施し、その結果を受けてモジュールを改良する。そして、RCTによる本試験を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)