2020 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児の末梢静脈持続点滴時の留置針での血栓形成機構解明とその点滴事故防止への展開
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19K24274
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
宮村 裕子 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 助教 (50848489)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | Thrombus Formation / Stress Analysis / Intravenous / Management for Infants / penetration force / catheter |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度~2021年度(Ⅰ)血栓生成観察と流れ計測において、円管チューブおよび2次元流路にカテーテルを挿入した状態での血栓形成の観察を行い輸液量の影響や接触の程度の影響を調べ、輸液の量の増減による血栓形成の可視化を行った。流量の違いにより、血栓形成に影響を与えることが示唆された。(Ⅱ)CFDを用いた流れの解析において、静脈の血管モデルに留置針が固定されたときの流れを挿入角度や点滴固定位置,静脈速度や点滴流入の条件を変化させ、速度や、せん断速度分布,滞留時間などをCFD(Ansys等)で分析した。その結果、カテーテルの挿入位置や点滴流量の条件を変更することにより、せん断速度分布,滞留時間など血栓形成に影響を及ぼすことが示唆された。(Ⅲ)静脈の血管モデルに留置針が固定されたときの流れを挿入角度や点滴固定位置,静脈速度や点滴流入の条件を変化させ、速度やせん断速度分布への影響が示唆された。赤色血栓予測の流れの解析からの評価量算出実験で得られた接触応力とCFDの計算で得られた速度、せん断速度、滞留時間を組み合わせて血栓生成を予測し、評価量を求め血栓生成の実験との対比により評価量パラメータについて決定していく。2022年度(Ⅰ)乳児の血管静脈モデルを用いて、実際の点滴のカテーテル固定ではカテーテル先端が静脈壁との間に過度な接触応力(摩擦応力)を生じることが想定されるため、穿刺時の穿刺角度と穿刺時の力の時間変化について検討し血栓形成への影響が示唆された。新型コロナウイルスの影響で、実験が難しい状況のため状況を見て開始する予定である。(Ⅱ)接触応力の計測と理論計算チューブ内または2次元流路の中心に圧電センサーを貼り、接触力の計算、カテーテルにかかるモーメントから接触力を計算から求め、血栓生成観察と流れ場計測で円管チューブ及び2次元流路にカテーテルを挿入した状態で粒子画像流速計測を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、移動が制限されるため、実験を行うのが難しい状況である.(Ⅰ)血栓生成観察と流れ計測において、円管チューブおよび2次元流路にカテーテルを挿入した状態での血栓形成の観察を行い,輸液量の影響や接触の程度の影響を調べ、輸液の量の増減による血栓形成の可視化を行った。流量の違いにより、血栓形成に影響を与えることが示唆されたため、定量化を進めていく。(Ⅱ)CFDを用いた流れの解析において、静脈の血管モデルに留置針が固定されたときの流れを挿入角度や点滴固定位置,静脈速度や点滴流入の条件を変化させ、速度や、せん断速度分布,滞留時間などをCFD(Ansys等)で分析した結果,カテーテルの挿入位置や点滴流量の条件を変更することにより、せん断速度分布,滞留時間など血栓形成に影響を及ぼすことが示唆された。2021年度~(Ⅰ)乳児の血管静脈モデルを用いて、実際の点滴のカテーテル固定ではカテーテル先端が静脈壁との間に過度な接触応力(摩擦応力)を生じることが想定されるため、穿刺時の穿刺角度と穿刺時の力の時間変化について検討し血栓形成への影響が示唆された。今後定量化を行い、留置後の接触応力などの検討をすすめるため、接触応力の計測と理論計算チューブ内または2次元流路の中心に圧電センサーを貼付し、接触力を計測し、カテーテルにかかるモーメントから接触力についての測定を行う。現在、研究結果を基に一部の器具類を購入している。実験環境が整い次第、実験を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の影響で、移動が制限されるため、実験を行うのが難しい状況である。そのため、研究目的に照らし合わせ、本学でできる実験を検討している段階である。 また、今までの研究成果について、順次研究成果を学会へ投稿し、可能な限りオンラインを活用して遂行していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、学会や打ち合わせなどの出張等が中止になり、学会もオンライン上で発表となった。また、実験の進行が難しかったことが影響していると考える。今年度は、血栓形成実験で使用する必要物品の購入、研究打合せ及び学会発表等での旅費や、論文投稿等に費用が必要になることが予測されるため、これらの内容に重点的に研究費を使用していく予定である。
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Research Products
(7 results)