2020 Fiscal Year Annual Research Report
Social epidemiological study of community social capital and frailty among older people
Project/Area Number |
19K24277
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
野口 泰司 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (40844981)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / フレイル / マルチレベル分析 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域高齢者の大規模調査である日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study:JAGES)の2013-2016のパネルデータを用いて、地域レベルのソーシャル・キャピタル(市民参加、社会的凝集性、互酬性)とフレイル発生との関連性を検討した。また、この関連性が個人の特性や社会経済的要因によって異なるか検討を行った。 ベースライン時にロバスト(健常)であった21940人(平均年齢71.8歳)および384の地域を対象に、3年後のフレイルの新規発生との関連をマルチレベルロジスティック回帰分析により検討した。結果、個人および地域の交絡要因を調整した上でも、地域レベルの市民参加が高いほどフレイルの発生が少ないことが認められ、地域レベルの市民参加得点が10%増加するごとに個人のフレイル発生率が6%減少することが示された。この関連性は複数の感度分析によっても同様の傾向を示し、結果の頑健性が確認された。加えて、個人の年齢、性別、教育歴、経済状況によって層別分析を行ったところ、結果は一貫して同様の傾向を示し、地域レベルのソーシャル・キャピタルと低いフレイルの関連性は、個人の特性や社会経済的要因にかかわらず認められた。以上の結果は国際学術誌にて現在投稿中である。 本研究結果は、社会活動などの市民参加が豊かな地域に居住している高齢者の低いフレイル発生リスクを示した。本研究により、フレイル予防に対して社会参加の促進を含めたソーシャル・キャピタルの醸成による地域づくりの重要性を示し、介護予防のためのポピュレーションアプローチの科学的根拠を構築することができた。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] 一般住民における野菜不足と肥満との関連:J-MICC Study 岡崎研究2020
Author(s)
近藤文, 渡邉美貴, 今枝奈保美, 後藤千穂, 柴田清, 神谷真有美, 野口泰司, 上島寛之, 西山毅, 中川弘子, 山田珠樹, 鈴木貞夫
Organizer
第76回日本栄養改善学会学術総会
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[Presentation] 中高齢期の婚姻状況の変化が野菜摂取量に及ぼす影響:5年間の縦断研究2020
Author(s)
野口泰司, 近藤文, 渡邉美貴, 今枝奈保美, 後藤千穂, 大谷隆浩, 中川 弘子, 細野 晃弘, 柴田清, 上島寛之, 永谷憲司, 鈴木貞夫
Organizer
第79回日本公衆衛生学会総会
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