2021 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding stretch-shortening cycle from the view point of resonance
Project/Area Number |
19K24281
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹下 大介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60847060)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 筋-腱複合体 / 共振 / 伸長-短縮サイクル / 振動刺激 / 伸張反射 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、弾性を持つ腱組織に筋線維からの周期的な外力が加わる強制振動という力学の理論から、反動動作の理解を試みる。連続的な底背屈運動において、3ヘルツ程度の運動時に下腿三頭筋筋線維の長さ変化が小さくなり、共振が起こることが明らかになっている。運動中の筋-腱複合体おいて、共振時には筋線維の収縮速度が小さくなり速度-力関係の点から有利であるため、反動動作のパフォーマンスの向上が期待される。その一方で、筋線維長変化が関節角度変化に対し小さくなるため、反動動作の遂行において重要とされている伸張反射の貢献は小さくなると考えられる。本研究の目的は、逆ダイナミクス、Ia線維の活動を選択的に誘発する振動刺激を用いた疲労実験、筋骨格系と神経系のシミュレーションを遂行することで、運動の動作速度とパフォーマンス、筋線維のダイナミクス、伸張反射の貢献度の関係を明らかにすることである。 2019年度に行われた理論計算とシミュレーションによると、ホッピングのような離地を伴う運動においても共振に似た現象が見られるという結果が得られた。2020年度は、コロナ渦による入構規制と学内業務増大で遅れが生じたが、運動中における超音波画像の取得とその分析方法を確立出来た。2021年度はホッピング中の超音波画像分析時に動画が通常の方法ではコマ落ちするという問題と超音波診断装置と外部機器の同期の問題が生じ、その解決に数ヶ月を費やした。実験の結果、接地速度、被験者の体重、アキレス腱の弾性及び足部の幾何学的な構造で決まるバネー質量系から予想される接地時間程度でホッピングを行う場合は筋線維がほぼ等尺となった。さらに、バネー質量系の接地時間よりも短い接地時間でホッピングを行う場合は接地中に筋線維が短縮する様相がみられた。以上のことから、ホッピングのような離地を伴う運動においても強制振動の考え方が適用出来ることが示唆された。
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Research Products
(4 results)