2020 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative analysis of the turning strategies while walking in stroke patients
Project/Area Number |
19K24287
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 高仁 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (70847962)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 方向転換 / ステップ / 脳卒中 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は進行方向提示から動作修正までに時間的余裕のない方向転換課題(Reactive turning; RT)を用い、脳卒中片麻痺者のステップ動作に潜在する転倒関連メカニズム解明を目的としている。2020年度は新型コロナウィルスの影響から研究遂行に支障をきたしたが、以下の2つの研究を行った。 ①進行方向提示位置を決定するため、提示のタイミングの違いによる影響を検討した。健常若齢者12名(前年度データに追加)と健常高齢者12名を対象とした。課題は方向転換地点の1歩前、2歩前、3歩前にそれぞれ赤外線センサを設置し、提示された方向に応じて90度方向転換するものとした。結果、若齢者・高齢者ともに1歩前では方向転換地点までの距離が短く、条件特異的な戦略を示した。一方、2歩または3歩離れた条件では、加齢による戦略の違いのみ抽出できた。群内の比較では、若齢者・高齢者それぞれ事前に方向が提示されている課題(Pre-planned turning; PT)と同様の回旋開始方略、速度、空間マージンを示した。この結果より、RTでは赤外線センサを2歩前に設置することとした。 ②脳卒中片麻痺者1名を対象とし(杖・装具なし歩行自立、社会復帰済、車運転可)、PTとRTを行った。結果、非麻痺側方向へはPTとRTで頭部・腰部回旋開始、重心移動開始時間に差が見られなかった。一方、麻痺側方向へはRTで明らかに頭部回旋開始が遅延した。空間マージンについては条件・方向による差がみられなかったことから、麻痺側方向のRTはより性急な動作パフォーマンスとなったと考えられた。RTにおける麻痺側方向への知覚認知~動作開始に至るまでの過程が、歩行自立している本症例においても遅延していたことから、今後、方向転換動作と麻痺側への視空間認知・運動制御の関連について十分に検証を進める必要性が示唆された。
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Research Products
(2 results)