2019 Fiscal Year Research-status Report
子どもの腸内菌叢の決定因子は何か?-出生コホートによる環境因子の同定
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19K24288
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
玉田 葉月 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70581403)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | JECS / 腸内菌叢 / 食生活 / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、詳細な機序は完全には解明されていないものの、腸内菌叢が宿主の健康に影響を与え得ることが示唆されている。ヒトは母体内では微生物が存在しない無菌状態にあり、出生後に定着する微生物の構成は分娩様式、栄養法(母乳栄養か人工栄養か)、その後の生活習慣、投薬状況など様々な環境因子の影響を受けると考えられている。しかし、その決定要因は完全には明らかではなく、複数の因子が複雑に関わり合いながら菌叢構成を決定していくと考えられるが、特に我が国の「子ども」がどのような腸内菌叢を有するかという基礎的な知見や、その決定因子については十分に明らかにされていない。ほとんど未解明である子どもの腸内菌叢を明らかにし、健康増進・疾病予防のために役立てるためには、腸内菌叢構成の決定因子を明らかにすることが不可欠である。 このような背景から、本研究は「子どもの腸内菌叢構成の実態把握」および「子どもの腸内菌叢構成に影響を与える外部因子の解明」を目的に実施する。2019年度は、前者を主体として研究活動を遂行し、エコチル調査(環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査」)に参加する児童(小学2年生)を対象に、次世代シークエンス法による菌叢解析に供するための糞便検体を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
親の同意および児の了解を得て、児の糞便検体の回収を行った。また、本研究の方法(検体採取、輸送、保存、菌叢解析)の妥当性について評価検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した糞便検体の菌叢解析を行い、種々の要因との関連を統計学的に明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初計画では、2019年度および2020年度に検体回収を行い、それぞれの年度で菌叢解析を行う予定であったが、すべての検体を回収後に菌叢解析を行った方が合理的であると判断し、2019年度においては当初計画していた菌叢解析を実施しなかったため。
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